スティーブ・ジョブズも毎朝やっていた! 集中できない時の最終兵器トップ1%だけが実践している集中力メソッド(1/2 ページ)

つい、アレコレ考えて「意識のカオス」に陥りがちなあなたへ。スティーブ・ジョブズも毎朝やっていた最強の集中法とは……?

» 2013年11月05日 08時50分 公開
[永田豊志Business Media 誠]

 前回「自分にベストな集中時間を知る」で、高い集中力をキープするための日々のリズムの話をしました。自分にぴったりの集中時間の「リズム」を知り(私の場合は15分です)、合間に短い「リラックスタイム」を入れて「リピート」、1つのことをやり遂げたら精神的なご褒美(リワード)、という4つのRに気を付けるのがポイントです。

 今回はこうした集中を高めるのに非常に役に立つ普段の心掛けについて、お話したいと思います。

 私たちの生活はノイズに囲まれています。それらは集中力を削ぐものばかりです。特に都市生活はそれが顕著です。テレビやラジオからたわいのない情報がタレ流し……。街を歩けばうんざりするほどの広告の山、大型ディスプレーの動画、スタンドにうず高く積まれたチラシの類……。

 オフィスでは、電話の着信、荒波の数のメールやソフトウェア更新のリマインダ、新しいニュースを知らせる通知。移動中でも、友達のフェイスブックの書き込み、LINEのメッセージ、新着ニュースやブログの更新通知。

 もちろん、集中力を削ぐのは環境の誘惑だけではありません。私たちの心をコントロールするのは、ほかでもなく私たち自身なのです。心は私たちが気を抜けば、すぐに混沌として収集のつかない状態に陥ります。

 「今朝の部長の言動には頭にきたな」「あのモデルは脚がキレイ」「昼ゴハンは何を食べよう、あの店は混んでいるかな」「何だかPCの調子が悪い」「外を見ると雨が振りそうだ」。仕事に集中したいのに、大量の断片的な思いが頭の中を駆け巡ります。脈絡のない情報が混沌とした無政府状態。その様は、まさに「意識のカオス」です。

 気を抜くとすぐに意識のカオス状態に陥る私たちは、もっともっと意識的に「集中」を呼び込む仕組みを自分の中に作る必要があります。ボールの縫い目に意識を集中する野球選手や山にこもって作品を仕上げる芸術家もいます。しかし、普通のビジネスパーソンは、より深く集中するためにより長い時間集中するためには、何をすればよいでしょうか? 日常の仕事に集中力をもたらすためにはどのようなことに気を付ければよいでしょうか?

ジョブズにならって緊張感を生み出せ!

 緊張感を持つことができない人も多いでしょう。「分かっちゃいるけど、別に今でなくてもいい」、そう考えると、すべての重要事項は先延ばしになってしまいます。締め切りが迫らないとエンジンがかからない、それは人間の本性だと思います。だったら、締め切りを短く設定するほかないでしょう。

 アップルの創業者、故スティーブ・ジョブズの有名なプレゼンテーションに、スタンフォード大学の2005年度卒業式で語った感動的なスピーチがあります。Youtubeなどでも見ることができますので、まだ見たことのない方は必見ですが、ジョブズは、このスピーチの中で次のようなエピソードを披露しています。

 「私は17歳のときに『毎日をそれが人生最後の1日だと思って生きれば、いつか、その通りになる』という言葉にどこかで出合ったのです。それは印象に残る言葉で、その日を境に33年間、私は毎朝、鏡に映る自分に問いかけるようにしているのです。もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか、と。『違う』という答えが何日も続くようなら、ちょっと生き方を見直せということです。

 自分は間もなく死ぬという認識が、重大な決断を下すときに1番役立つのです。なぜなら、永遠の希望やプライド、失敗する不安……これらはほとんどすべて、死の前には何の意味もなさなくなるからです。本当に大切なことしか残らない。自分は死ぬのだと思い出すことが、敗北する不安にとらわれない最良の方法です。われわれはみんな最初から裸です。自分の心に従わない理由はないのです」

 私たちには、あとどのくらいの時間が残っているのでしょうか? 私はこの本を書いている時点で、日本人の平均余命まであと30年強です。しかし、誰もが平均余命を全うするわけではありません。会社の同期や学校の同級生で若くして逝去した仲間も少なからずいます。私はそういったことに出くわす度に、限られた時間を自分らしく生きたいという気持ちがなお一層強くなりました。

 時間は最も重要な人生のリソース。今日、そして今を大事にしましょう。そのためにも皆さんにもぜひやってもらいたいのです。毎朝の出勤前の鏡の前で。

 「もし、今日が人生最後の日だったらどうするか?」

 ぜひ毎朝、出勤前の鏡の前で、自分に質問してみましょう。

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