部下から適切なフィードバックがもらえる3原則3分LifeHacking

ある3つのルールを守っていれば、チームのメンバーが頑張ろうというやる気を出させる活力を一緒に作っていけます。

» 2013年10月29日 08時30分 公開
[Heidi Grant Halvorson(訳:的野裕子),ライフハッカー[日本版]]
ライフハッカー[日本版]

 上司やリーダーとして、部下や仲間に良いフィードバックをするのは、最も大事なことであり、最も難しいことでもあります。フィードバックをしても、結局あまり効果がないことはよくあります。

 良かれと思って言ったことですら、意見を言って裏目に出ることがあります。誉めても相手の自信につながらないのです。

 専門家は相手の帆に合わせて正しい向きに風を送るのが、良いアドバイスだと言います。少し手加減をして意見しても、相手がもっと不安になるだけのこともあります。どうしてこんなことになるのか分からないと思うかもしれませんが、何もそれはあなただけではありません。

 幸いにも、やる気に関する科学的な研究によって、なぜ効果のあるフィードバックとそうでないフィードバックがあるのかという理由が明らかになりました。これは偶然でも謎でもなかったのです。

 これまでうまくフィードバックができなかった経験がある人も、この3つのルールを守るだけで、これからは良いフィードバックができるようになりますよ。

ルール1:失敗をした時は、事実を伝える

 大失敗した人にフィードバックをするのは容易ではありません。意見を言うことで、相手が不安になったり、落ち込んだり、自分を恥じるようになるかもしれません。しかし正直にフィードバックをしなければ、相手が成長することができないので、相手の感情を尊重するあまり、事実から目を背けるというような失敗はしないでください。ネガティブな感情というのは、問題を修正しようという行動を起こすためにあるのだということを思い出しましょう。

 相手に辛く当たりたくないからというだけで、相手が失敗したことに責任を感じないようにしようとしないでください(実際、相手が責任を感じていないようであればしかりましょう)。自分の失敗の責任を取らなくていいようにすると、自分の仕事は自分で管理するという感覚が失われます。無力感というのは、やる気をなくすことと同じです。長期的に見て無力感を感じるようになるかもしれないというダメージと、短期的に嫌な気分になることは、比べられるようなものではありません。

ルール2: 失敗した時に、自信喪失させないようにする

 過去に何か失敗したことがあっても無くても、成功するかもしれないと信じる気持ちは、誰にとっても必要です。向上する可能性を捨てずに、丁寧にフィードバックを伝えることが必要です。そのためには、以下のことを心掛けましょう。

(1)アドバイスは具体的に

 相手は具体的にどこを改善したほうがいいでしょうか? あなたが上の立場であれば、相手に正しいやり方を教え、どうすれば失敗するのかを教えることが重要です。

(2)相手の裁量で行えることを強調する

 プロジェクトに割いた時間や労力、実際にやった戦略的アプリーチなど、相手が自分の管理下で行った仕事についての話をします。

(3)努力したことを誉めない

 この研究では、失敗の後で努力したことを誉めると、相手に自分は無能だという気分を味わわせるだけでなく、目標を達成することはできないようにも感じさせてしまいます。この場合は、純粋に事実や情報だけをフィードバックするように意識しましょう。努力が問題でないのであれば、何が問題だったのかを明確にし、相手に伝えます。

ルール3:成功した時は、能力を誉めない

 頭が良いとか才能があるとか言われれば、悪い気はしません。従って私たちは、そのように誉めると相手が喜ぶと思い込んでいるふしがあります。もちろん一時的に良い気分にはなりますが、やる気を継続させることはできません。

 研究で自分の能力が高いことを誉められると、困難に遭遇した時に自信を喪失しやすくなります。成功したのが、生まれ持った才能のおかげだという風に誉めていると、うまくいかなかった時に、才能が無かったからだという結論に陥りやすいのです。

 そうではなく、相手の裁量で行った仕事のパフォーマンスを誉めましょう。仕事への取り組み方が創造的だったとか、計画の立て方に配慮が行き届いていたとか、継続して努力を続けていたとか、協調性のある態度で仕事に臨んでいたというようなことを話します。その人自身ではなく、その人の行動を誉めるのです。そうすると、後々問題に遭遇した時も、昔努力して成功したということを思い出し、良いアイデアはないかと知恵を絞るようになります。


 この3つのルールを守っていれば、厳しい現実も、有益なアドバイスも、これからもっと頑張ろううというやる気を出させる活力も、一緒に与えることができます。

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