もっと“自分のため”に働こうRe:Work !(1/3 ページ)

人生は、親から命を授かった時点で自分のもの。そして、たった1つ(一度)しかありません。もちろん親への感謝を忘れてはいけませんが、もっと自分のために生きて良いのではないでしょうか。

» 2013年10月28日 14時45分 公開
[三河賢文,Business Media 誠]

連載「Re:Work」とは

 今、働き方を見直す動きが増えています。新しい考え方やサービス、プロダクト。こうしたものを活用して働き方を変える人がいる一方で、現実にはそう簡単にいかず苦悩をガマンしている人も多いはず。「練り直す」「再生する」「再加工する」という意味の「rework」が、この連載の由来です。すべてを変えることは難しいかもしれませんが、まずは少しだけでも「Re:Work」してみませんか?


 働くことがつらい、あるいは苦しいと思っている人は、まず「何のために働いているのか」をよく考えてみてください。結論から言ってしまうと、私は誰もがもっと“自分のため”に働くようになれば、イキイキできるのではないかと感じています。

 もしかすると、一部の方々から誤解を受けてしまうかもしれません。しかし自分の人生を生き抜くうえで、自分ではなく「誰か」のために追い詰められてしまうことは、やはりおかしいのではないか。誤解を恐れず言うのなら、本来人は誰しも“自分のため”に生きている。そのことについて、少しお話ししたいと思います。

「誰かのため」に自分を苦しめていないか

 最初の質問に戻ってみましょう。ここでは分かりやすく、家族を持っているビジネスパーソンを例に話を進めたいと思います。

 結婚している人なら、「家族を養う(幸せにする)ため」と答える人は少なくないはず。私も結婚して2人の子どもがいますので、その気持ちは分かります。

 しかし間違えてほしくないのは、家族がそれを必ずしも望んでいるとは限らないということです。例えば家族に裕福な暮らしをさせようと身を粉にして働いたとして、毎日ボロボロに疲れ果てた姿を、家族は喜ぶはずもありません。子どもは山ほどのおもちゃを買ってもらえるより、多くの時間を父親、母親と過ごしたいと考えるでしょう。

 どうも多くの方々が、「家族のため」という前提を勝手に作り上げ、不要なプレッシャーやストレスを受けている気がしてなりません。なぜなら「誰かのため=頑張らなければ」という思考が自然と構築され、自らをいわば犠牲にするような傾向があるからです。

 まして前述のように、あなたの思う「家族のため」と家族の望むものが一致していなければ、その努力は無駄にすらなりかねません。これは、家族に限ったことではないのです。

 一見すれば、「家族のために頑張る」ことは輝かしいことなのかもしれません。もしかしたら、本人も「自分は家族のために頑張っているのだ」と自分を美化している気さえします。しかし他のために自分を苦しめているのであれば、それこそ本末転倒ではないでしょうか。

すべては“自分のため”

写真は本文とは関係ありません

 こうして書くと、家族のために頑張ることに反対しているかのように思われるかもしれません。しかし私が言いたいのは、そうではないのです。

 考えてみてください。本当に「家族のために働いている」として、それを望んでいるのは誰ですか? 確かに働き手が1人であれば、それは家族から望まれてしかるべきでしょう。しかし一番それを望んでいるのは、家族ではないはずです。それは、一体誰なのか。私は“自分自身”だと思います。

 自分が「家族を幸せにしたい」と思うから、そのために仕事を頑張る。その家族を選んだのもまた、自分自身です。つまり、本来「誰かのために働く」という行為は他から求められているのではなく、自分が望んでいることなのです。

 よく耳を傾けていると、「家族のために働いている」人の多くはこういう言葉を使います。

 「家族のためだから、頑張らなければいけない」

 「家族のために、もっと稼がなければいけない」

 この言葉は、まるでその努力や行動が義務であるかのようにさえ聞こえないでしょうか。これが、先に述べたように不要なプレッシャーやストレスを受けているという理由です。

 ちょっと中学生のころを思い出してください。

 周囲から「勉強しろ」と言われると、どう感じていたでしょう。勉強が大好きという人を除いては、こう言われるたびにイヤな思いをしたのではないかと思います。「今やろうと思ってたんだよ!」なんて良く聞くフレーズは、まさにその表れのように感じます。つまり人というものは、元来から誰かに強制されると、それを嫌だと感じるものなのです。

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