「作業の工程表をExcelで作成するのは面倒」「チーム内の“誰がどのくらい忙しいか”が分からない」「締め切りを守れない」――。職場のこんな課題を解決してくれる上、5人までなら無料で使えるWebサービスが「ブラビオ」だ。
「作業の工程表をExcelで作成するのは面倒」「チーム内の“誰がどのくらい忙しいか”が分からない」「締め切りを守れない」――。あなたの職場は、こんな課題を抱えていないだろうか。
そんな課題を解決してくれるのが、5人までなら無料で使えるプロジェクト管理用Webサービスの「ブラビオ・プロジェクト」(ブラビオ)だ。10月4日に開催された新興Webサービスの展示イベント「Cloud+」で、同社COOの町田拓也氏にブラビオが解決する職場の課題と、その手法について聞いた。
作業の工程表につきもののガントチャート。現状、このチャートをExcelのワークシートで作成している人は多いはずだ。これまでExcelと格闘しながら作成していたガントチャートを、ドラッグ&ドロップ操作ですばやく作成できるのが、ブラビオの大きな特徴だ。
社内にはさまざまなプロジェクトが動いており、1人が複数のプロジェクトに関わっていることも多い。ただ、いくつもプロジェクトが動いていると、「誰がどのプロジェクトでドツボにはまっているのか」「誰がスケジュールに余裕があるのか」が見えづらくなってくる。
ブラビオには、こうした複数タスクの進行状況と関わっているスタッフの状態を可視化する機能が備わっている。プロジェクトごと、担当者ごと、作業の状況ごとなど、さまざまな切り口から進ちょくを確認できるので、工程が滞りそうなところを素早く発見し、修正できる。
せっかくプロジェクト管理ツールを導入しても、使い続けてもらえない――。こんなケースも少なくない。最初はもの珍しさから試すものの、飽きて使わなくなってしまうのだ。
ブラビオには、“使い続ける”ことを意識した機能が用意されている。1つはそれぞれのタスク内に用意されている「コメント」機能。ここに誰かが進ちょくについてのコメントを書いたりデータを添付したりすると、一緒にタスクに取り組んでいるメンバーにメールで内容が送信される。毎日、ブラビオのプロジェクトサイトにアクセスする習慣がなくても、途切れなくコミュニケーションを図れるようになっているのだ。
もう1つは、「進ちょく報告」機能。プロジェクトのトップページでは、スケジュールが厳しい状態になっているタスクの一覧を見ることができるようになっており、タスクの横にあるチェックボックスにチェックを入れるだけで、担当タスクのメンバーに進ちょく報告の依頼メールを出すことができる。メールを受け取ったスタッフは、テキストによる報告が面倒なら、とりあえずは進ちょくのパーセンテージを変更して報告するようなこともできるため、報告漏れを防げるようになる。
同社COOの町田拓也氏によれば、この機能を実装してから、利用継続率が50%上がったという。
締め切り仕事が多すぎて、どの作業がいつデッドラインを迎えるかを把握しきれない――。こんな課題にもブラビオは応えてくれる。
自分がやるべき仕事について、締め切り日と仕事に着手した日を入力しておけば、ガントチャート上で一覧で確認できる。期日が迫ってくるとチャートの色が青から赤に変わるので、視覚的にも分かりやすいのだ。
町田氏によれば、大きく2つの業界での採用が多いという。1つは製造業。“あうんの呼吸”で製造日程の管理をしていたベテランの職人が定年退職などで抜けていくにつれて管理がうまくいかなくなり、気がついたら工程管理のスキルがなくなっていた――というような企業が導入を検討するケースが多いという。「これまでは“納期が遅れるなんてありえない”という文化だった会社が、スキルの継承が上手くいかずに工程管理の課題を抱えるようになり、その解決策として導入するケースがあります」(町田氏)
もう1つは、ゲームやWebなどの製作管理現場。多くの人が複数の工程に関わっており、プロジェクトリーダーがそれぞれのタスクの進ちょくや忙しさをリアルタイムで把握しながら、余裕がある人にうまく業務を振り分けていく必要があることからニーズが高いという。
初期費用0円、5人までは無料で利用できる。フル機能に対する制限は「横断ビューの横断できるプロジェクト数が2つまで」「1プロジェクトあたりの登録タスク数が500個まで」「Excelへの書き出しが読み込み、書き出しそれぞれのべ3回/日まで」「ディスクが50Mバイトまで」などがある。
有料版は、10ユーザーまでが3150円/月、20ユーザーまでが6300円/月、30ユーザーまでが9450円/月、40ユーザーまでが1万2600円/月、50ユーザーまでが1万5750円/月となっている。
契約期間の制限はなく、いつでも利用を停止できる。無料版を使い始めるのに登録が必要なのはメールアドレスとパスワード、グループ名だけという手軽さで「始めやすく、止めやすい」のも特徴だ。
町田氏によれば直接の競合はなく、強いて言えばExcelだという。直接の競合がないのは、この5年以内に本格的なプロジェクト管理ツールをリリースした企業がほかになかったためだ。
「昔はマシンパワーが足りなくてガントチャートをストレスなくグリグリ動かすようなことができなかったが、マシンの性能が上がってクラウドも普及し、ネットが高速化したいいタイミングで、ストレスなく使えるUIのサービスを出せたのが大きい」(同)
5人まで使える無料版は5万社が利用中だ。
ブラビオというサービス名の由来は、ちょっと変わっている。「小さい会社なので、名前に意味を込めるほどの余裕がなかった」と、同社COOの町田氏。とにかく覚えてもらえる名前にしようと、日本人が好む語感といわれる「“は行”の濁点」が入ったキリのいい4文字で、「co.jp」ドメインが使われていないフレーズを検索。出てきた20ほどの候補を電話で母親に聞かせ、20分後にまた電話をかけたときに唯一、覚えていた「ブラビオ」を社名にしたそうだ。「65歳の母親が覚えている名前なら、みんなに覚えてもらえるだろう」(同氏)という考え。ほかのサービスの命名にも“お袋チェッカー”を使っているそうだ。
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