iPadを使った新しい会議、みんな参加で同時チャットもできるプレゼンアプリ「Share Anytime」

MetaMoJiは会議の参加者がiPadの画面上でスライド資料を見ながらコメントを付けたりコミュニケーションを取ったりできるアプリ「Share Anytime」を発表。制限付きの無料版と全機能が使える有料版(700円)の提供を開始した。

» 2013年10月09日 13時30分 公開
[上口翔子,Business Media 誠]
10月8日に行った説明会では会場にいた約60人も実際に体験した

 発表者がスライド資料をスクリーン画面に映しながら、一方的に話をする。初めこそ皆が集中して聞いていたが、次第に集中力が途切れ、聞いているふり、もしくは内職を始める人が出てくる――。人数が多いときほど起きやすい、よくある会議のシチュエーションだ。

 この「誰かが一方的に話す」ではなく、「出席者の頭をフル活用してアイデアを想像していく」コミュニケーションの場を作れるのがiOS向けアプリ「Share Anytime」だ。無料手書きアプリ「Note Anytime」などを手掛けるMetaMoJiが、10月9日に発表。一部機能を使える無料版と全機能が使える有償版(700円※発売記念価格として2013年10月9日現在は170円)の提供を開始した。現在はiPad版のみだが、年内にはiPhone、Android、Windows版のリリースを予定している。

コンセプトは「Think Together」

「これなら使える。分かり合える」と浮川和宣社長

 「Share Anytime」のコンセプトは「Think Together」。MetaMojiの浮川和宣社長は、「今後インターネットがさらに普及し、スマートデバイスを世界中の人が使うことがもっと当たり前になる。そのとき多くの人たちが2次元データをベースにつながれたら、もっと面白いことができる。今までできなかったことができる。Share Anytimeは約1年前からそのことを模索してきた」と説明。Note Anytimeの文書形式に加えて、PDFやWord、Exel、PowerPointといった各種データをiPadを通じて、遠隔でリアルタイムに複数人に伝わる良さを強調した。

 Share Anytimeを使えば、会議の参加者全員が考えたアイデアやコメントを、1つのスクリーン(アプリ)で同時に見ることができる。オーナー(管理者)が招待したメンバーであれば、インターネット環境を通じて世界中のどこからでも議論に参加して意見を表明しあうことが可能だ。差分データが残っているので、もしそのときにアクセスできなくても、後からプレゼンの一連の流れを確認できる。

 メンバーは、「オーナー」「司会者」「参加者」の3タイプからなり、各権限を設定できるのは有償版を使うオーナーのみ。オーナーは会議の前に各メンバーにメールやSNSを通じて資料を配布しておく。それを司会者が進行に合わせて資料を進めていくと、参加者の画面上でも反映され、かつ各参加者はチャット機能でコメントしたり、権限を持つ参加者であれば資料に書き込みをすることもできる。

 想定する利用シーンは、社内会議のほかセミナーや学校の授業の場。また1対1の商談の場でも、プレゼンテーションをする際に使える。またユニークな使い方として、社内にいる上司が社外で行っている部下のプレゼンの様子を確認し、適宜コメントを入れるなど、さまざまな使い方が模索できると紹介した。

記者説明会に参加した約60人が「好きなスポーツ、選手」をテーマに一斉に書き込んだもの。リアルタイムで反映された
富士山をテーマに書いたもの

 1つの資料に対して同時に利用できるのは、約100人。MetaMojiでは60人まで同時会議ができることを確認しているという。場所も東京、大阪、福岡と離れた場所で行ったが、問題なく動作した。

全体像

 各ユーザーIDは、MetaMoJiのクラウドストレージ「デジタルキャビネット」に紐付いて利用できる。データ転送量(差分編集データのみ)は1Gバイトと5Gバイトから選べる。1つのIDで複数のデバイスからアクセスが可能だ。

 なお、MetaMoJiでは2014年2月を目標にさらに大人数で使えるエンタープライズ版のリリースも予定しているとした。既に数企業から役員会議でぜひ利用したいといったフィードバックを得ているという。

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