一体感をかもし出す言葉に人は弱い思うように人の心を動かす話し方(2/2 ページ)

» 2013年09月17日 11時00分 公開
[榎本瑞樹,Business Media 誠]
前のページへ 1|2       

「私」ではなく「私たち」、「○○してください」ではなく「○○しましょう」

book 『心理学者が教える 思うように人の心を動かす話し方』(アスコム)

 話は脱線したが、「あなた」と「私」でなく「私たち」、「○○してください」でなく「○○しましょう」という言葉が一体感をかもし出す。仕事のパートナーとして引っ張り込みたいという場合も、

 「きっとうまくいきますから参加してください」

 よりも、

 「きっとうまくいきます。力を合わせて成功させましょうよ」

 という言葉のほうがインパクトが強い。こんなふうに誘われると、

 「そうか、がんばってみるか」

 という気になりやすいのだ。

 励まされる場合はこれほどうれしい言葉はないのだが、仕事や取り引きに際しては「やりましょう」式の一体感をかもし出す言葉に十分注意を払う必要がある。

 雰囲気につられて気分が舞い上がり、いつの間にかあまり気乗りしない仕事に引き込まれたり、分の悪い契約を結んだりということにならないためにも、要注意である。


(次回は「エビでタイを釣る」について)

著者プロフィール:

榎本博明(えのもと・ひろあき)

心理学博士。1955年、東京生まれ。東京大学教育心理学科卒業。

東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在、MP人間科学研究所代表。心理学をベースにした企業研修・教育講演等を数多く行うとともに、自己心理学を提唱し、自己と他者を軸としたコミュニケーションについての研究を行うなど、現代社会のもっとも近いところで活躍する心理学者である。

著書に、『「上から目線」の構造』『「すみません」の国』(日経プレミアシリーズ)、『「上から目線」の扱い方』(アスコム)、『「俺は聞いてない!」と怒りだす人たち』(朝日新書)、『心理学者に学ぶ気持ちを伝えあう技術』(創元社)など多数。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ