導入・運用コストの高さからクレジットカード決済サービスの導入を諦めていた小規模店舗に、救いの手をさしのべたPayPal Here。安価な決済用スマホやバーコード読み取り対応のレジアプリ、新たな決済サービスの提供で導入のハードルを下げ、付加価値の高い店舗作りを支援する。
中小規模の店や移動販売店舗、屋外イベントでもクレジットカード決済を――。これまで導入が困難だった場所や施設でのカード決済を可能にした「PayPal Here」が、2012年7月の本格展開から2年目を迎えた。
PayPal Hereは、多額な導入・運用コストをかけることなく、店舗が顧客にクレジットカード決済サービスを提供できるソリューション。決済端末として、カードリーダーを差したスマートフォン(iPhone、Android)を利用することで端末代金やネット環境の構築費用を軽減。カードリーダーはキャンペーン期間中は実質無料(1500円のプレゼントキャンペーン)で提供され、店舗側は1回の決済あたり3.24%の手数料を支払うだけで来店者にクレジットカード決済サービスを提供できるのがポイントだ。
こうした導入のしやすさが注目を集め、中小店舗や移動店舗を中心に採用店舗が増加。今夏には野外で開催される音楽フェスティバルなどの催事で採用されるケースも増えたという。
PayPal Hereを提供するPayPalとソフトバンクは、さらなる利用者の拡大を目指して新たな施策を展開。外食産業向けの専門展示会「INTER-FOOD JAPAN 2013」にブースを出展し、新たな取り組みを紹介した。
店舗の利用拡大に向けた1つ目の施策は、無料のiPad専用レジアプリの提供だ。これまでiPadでレジアプリを利用する場合は、iPhone用にデザインされたアプリを拡大表示して使うことになり、せっかくのiPadの大画面が生かされていなかった。今回、新たにiPad専用のUIを備えたアプリを提供することで、より店舗で利用する際の利便性が向上した。
新たに実装された機能の1つが、商品のカテゴリー分けと検索への対応だ。PayPal Hereアプリは簡易POSシステム機能を備えているので、あらかじめ商品を登録しておけば、決済時にはその商品を呼び出して決済処理を行い、売り上げ集計などに役立てられる。しかし商品数が増えると、顧客がレジに持ってきた商品をアプリ上で探すのが難しくなり、結果として顧客を待たせてしまうことになりかねない。今回リリースされたiPadアプリでは、商品をカテゴリー分けして登録できるようになり、検索にも対応。すばやくアプリ上に商品を呼び出せるようになっている。
2つ目は、iPadの内蔵カメラを利用したバーコードの読み取り機能。商品バーコードを読み取って来店者の会計を行うとともに、販売数を管理するという、スーパーのレジなどではすでにおなじみになっている機能がPayPal Hereでも使えるようになった。これにより、店舗のスタッフは顧客が購入する商品のバーコードをiPadのカメラにかざすだけで、すばやく商品を認識し、会計処理を行えるようになる。
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