マッキンゼー卒業生が、入社1年で「一生使える」仕事の技術を持てるワケマッキンゼー流仕事術(1/3 ページ)

なぜ、マッキンゼー出身者は各業界で活躍できるのでしょうか? その秘密はマッキンゼーの新入社員研修にありました。

» 2013年09月03日 08時00分 公開
[大嶋祥誉Business Media 誠]

『マッキンゼー流仕事術』について

なぜ、マッキンゼー出身者は各業界で活躍できるのか? その秘密はマッキンゼーの新入社員研修にありました。本連載ではマッキンゼーの厳しい新人研修を著者のエピソードと共に紹介しながら、そこで叩き込まれるマッキンゼー流問題解決の基本を解説しています。

 この記事は2013年4月27日に発売されたソフトバンククリエイティブの『マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書』(大嶋祥誉著)から抜粋、再編集したものです。


一生使えるマッキンゼー流仕事術

 平均3〜5年。

 これはなんの数字かというと、世界最強のコンサルティングファームと称されるマッキンゼー社員のおおよその在籍年数です。私もそうですが、多くのマッキンゼー卒業生の実感値としては、そう外れていないでしょう。

 「え、そんなに短いの?」と驚かれるかもしれません。けれど、現実に入社3〜4年もすれば、マッキンゼーを卒業して起業する人、さまざまな事業会社で経営やマネジメントに携わる人は珍しくありません。

 一般的な感覚で入社3〜4年と言えば、一応、組織の中で自分の役割を与えられて、新入社員にとっての良い先輩として日々の業務を遂行している立場でしょう。そのタイミングで起業や経営、マネジメント層にキャリアを進めるというのは、かなり優秀な人でなければ現実的ではないかもしれません。

 それなのにマッキンゼーの卒業生が、わずかな期間のうちに、さまざまな分野で即活躍できているのはなぜなのか。その秘密の1つが、じつはマッキンゼー(特に日本支社)が独自に築き上げた「新人研修プログラム」で学ぶ仕事術にあるのです。

 しかも、ただの新人研修ではありません。

 研修を修了すれば、そのままコンサルティングビジネスの最前線でさまざまな課題に取り組み、「自分で答えを見つけるスキル」が叩き込まれるというもの。そのスキルをOJT(On the Job Training= 実際の仕事で、必要な技術、能力、知識、あるいは態度や価値観などを身に付けていくこと)で使い、マッキンゼー流仕事術として体得していくのです。

 これがあるからこそ、在籍年数にかかわらず世界のどこに行っても「マッキンゼーの卒業生はすごい」といわれる仕事力が身に付けられるわけです。

 そして、私が本連載で、いちばん伝えたいこと。

 それは「マッキンゼーの新人研修プログラムや仕事術はすごい」という話ではありません。マッキンゼーの新人研修プログラムを知れば、何ができるのか「So What?(だから何?)」、なぜ、そんなことが言えるのか「Why So?(それは、なぜ?)」を本連載の中で一緒に解き明かし、皆さん自身の中に一生使える「マッキンゼー式の仕事術」を取り入れてもらいたいということです。

 ただ単に知識として学ぶのではなく、自分の“武器”として身に付ける。ここが大事なところです。マッキンゼーというと「問題解決スキル」や「ロジカルシンキング」といったテクニカルな要素がすごいのだと思われる人が多いのですが、それだけでは第一線で問題解決を仕事にすることはできません。

 テクニカルな要素だけでなく、人間としての根本的な魅力や仕事に対する姿勢、物事に対する考え方など、すべてが「マッキンゼー流の問題解決」につながっていくということをぜひ強く意識して読み進めてほしいのです。

 こんなふうに言っているマッキンゼー卒業生の私も、問題解決やコンサルの仕事についてのイメージもまったくないまま入社して、新人研修でいきなり達人のスキルを目の当たりにし、「すごい!」という感想しか持てませんでした。

 おそらく「マッキンゼーの仕事術って何がすごいの?」「自分にも使えるの?」という疑問を持つ皆さんと同じところからのスタートだったのです。

 それでも、どんな状況からでも問題解決の道筋をつくり、仕事で結果を出せるようになれたのは「マッキンゼーの新人研修プログラム」が、きちんと血となり肉となる、実のあるものだったからです。

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