入社前に学生の身で起業し、一国一城のあるじを目指すベンチャー企業オフィス100選【シロク編】

サイバーエージェントのグループとして起業したシロク。4人のメンバーがで始動した同社がオフィス作りに持つこだわりとは?

» 2013年09月02日 08時00分 公開
[オフィス通信]

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本記事は「オフィス通信」で掲載した記事を一部抜粋・編集して掲載しています。


 渋谷を中心に、数多くのグループ企業を展開するサイバーエージェントグループ。才能あふれる若手社員たちが続々と社内ベンチャーを立ち上げる中、入社前の学生時代にいち早く起業したのがシロクの代表取締役社長/CEOを務める飯塚勇太氏である。

 飯塚氏はサイバーエージェントに内定が決まり、学生アルバイトとして同社に勤務していた2011年10月、同期の内定学生たち3人とともに、ちょっとした趣味の延長線上というつもりでiPhoneアプリ「My365」をリリースしたという。ところが、これがリリースからわずか1週間で10万ダウンロードを超える大ヒットとなり、「やめるにやめられなくなった」と飯塚氏は語る。

 「正直、どうしようかと悩んだのですが、グループ代表の藤田から『これを会社にしたらいいんじゃないか』とアドバイスされ、仲間と4人で会社を立ち上げることになりました。当初はサイバーエージェントの会議室を間借りしたオフィスでのスタートでした」(飯塚氏)

 10万人以上のユーザーを抱えたサービスを勝手に止めることもできず、かといって継続するのも個人の力では困難だ。そこでビジネスとして継続することになったのだが、もともと自分たちの趣味で作ったアプリであるだけに、当初は戸惑いも大きかったという。

 「なにしろ経験も何もない学生のことですから、まさかサイバーエージェントに入社する前に会社を作って社長になるとは思ってもみませんでした」(飯塚氏)


同社の提供するiPhoneアプリ「pipul」のポスター(左)、社長席の背後の棚には「Mashup Awaeds 7」の表彰状などが並ぶ(右)

「モノづくり」にこだわり、世界への夢と野心を燃やす

 2011年12月1日付で設立した株式会社シロクは、飯塚氏を代表、3人の仲間を役員として、4人のメンバーで始動した。その後、サイバーエージェントに間借りしながら何度かのオフィス移転を行い、社員2人を増員して6人体制となる。そして、2013年5月20日から道玄坂上の「トウセン道玄坂第二ビル」3階にオフィスを構えている。同ビルにはサイバーエージェントグループが複数フロアに入居しており、同社のオフィスも他の事業部との同居である。

 3階にはまた、グループ共有の会議室も複数設置されている。「私自身も含めて、当社は『モノづくり』にこだわりを持った集団です。ですから、モノづくりに集中できる環境を整備したいという目標があります。もっと会社が成長したら、ゆくゆくは当社だけで独立したオフィスを構えたいですね」(飯塚氏)

 米Googleをはじめ、海外の著名企業のオフィスを例に挙げながら、飯塚氏は夢をふくらませる。海外企業がオフィス環境を充実させているのは、クリエーターにとって最高の環境を整えることが、顧客にとって最高のサービスを提供することにつながり、それが企業にとって最高の結果につながるという信念なのではないか、と若き社長は熱く語る。


フラットな環境で社長である飯塚氏も社員たちとデスクを並べる(左)、サイバーエージェントグループの共有財産として会議室も使用可(右)

 「私が最も尊敬する経営者の1人が、マクドナルドの創業者レイ・クロックです。52歳でハンバーガーチェーンを立ち上げ、それが今では世界中で大人から子どもまで愛されています。『モノづくり』の担い手として、これに勝る喜びはないでしょう。私たちもいつか、世界中の人に利用していただけるような『モノ』を生みだしたいと考えています」(飯塚氏)

※本記事は、オフィス通信で掲載された記事を一部修正し、転載したものです。(執筆:浦上史樹)

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