目標達成のために「やらないことリスト」を作る世界で通用する人がいつもやっていること(1/3 ページ)

目標を立てたとき「やるべきことリスト」を作る人は多いと思いますが、同時に「やらないことリスト」も作っていますか? やるべきことだけを集中してやるために「やらないことリスト」も必要です。今回は「世界で通用する人」のスケジュールの立て方を紹介します。

» 2013年06月25日 11時00分 公開
[中野信子,Business Media 誠]

集中連載「世界で通用する人がいつもやっていること」について

 本連載は、世界で通用する仕事やコミュニケーションをこなす一流の人たちが実践していることを紹介している、中野信子氏著、書籍『世界で活躍する脳科学者が教える! 世界で通用する人がいつもやっていること』(アスコム刊)から一部抜粋しています。

 世界で通用する人がいつもやっていることとは、具体的にはどういうことなのでしょうか? 実は、「空気は読まない」「敵を味方にしていく」「適度なストレスを与える」「いつでも仕事が楽しそう」など、ちょっと練習が必要なものもありますが誰もが簡単に身につけることができるものばかりなのです。

 著者の中野氏は、東京大学大学院医学系研究科出身の脳科学者。世界上位2%のIQ所有者のみが入会を許される「MENSA」に所属し、フランス原子力庁勤務の経験もあるという。本書は、世界で活躍する脳科学者・中野信子氏が世界中で出会ってきた、世界で通用する仕事やコミュニケーションをこなす一流の人たちが実践していることを紹介した、今までにない自己啓発書です。本書を通じて、自分を磨くことをどんどん楽しめる人になってください。


著者プロフィール:

中野信子(なかの・のぶこ)

 東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻修了、医学博士。2010年までフランス原子力庁に勤務。世界で上位2%のIQ所持者のみが入会できるMENSAの会員。

 現在、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。

 学習法だけにとどまらず、音楽と脳、セックスと脳、コスプレと脳、恋愛と脳、人工知能と脳、言語と脳、香水と脳など、従来にない脳の分析も得意とする


目標達成のためには期限を設けよう

 ドイツ人のEさんは「ヤーキーズ・ドッドソンの法則※」をうまく活用して、自分にプレッシャーをかけて最高のパフォーマンスを発揮しています。彼女の行動には、他にも興味深いことがあります。ここでは、それを紹介したいと思います。

(編集部注:ヤーキーズ・ドッドソンの法則 適度なストレスが学習パフォーマンスを最高レベルに高めてくれるというもの。心理学者のヤーキーズとドッドソンが、ネズミを使った実験で発見した)

 自分にプレッシャーをかけることと関連するかもしれませんが、彼女は目標を達成するまでの制限時間を自分で決めていました。すると自動的に「やるべきこと」が明確になるので、あとはただその「やるべきこと」をこなしていくだけです。

 ただし、ここからが肝心なのですが、彼女がすごいのは「やるべきこと」を考えると同時に「やらないこと」も明確にしていたのです。Eさんが研究者としても医師としても一歩抜きん出て、皆に評価され優れた成果をあげられた秘訣は、この「やらないこと」を上手に見つけていくところにあったのです。

 分かりやすいように、研究者の世界の話ではなくもっと多くの人にとって身近な題材を例に説明します。例えば「TOEICで今年は800点以上取ろう」という目標を決めたとします。「やるべきこと」は簡単です。必要な教材を集めて勉強することです。

 ただ、期限を今年中とすると何でもかんでもやるというわけにはいきません。そこで次は「やらないこと」を探さないといけません。よくよく考えれば当たり前のことですが、「やらないこと」まで最初に決める人は意外と少ないでしょう。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ