ファイルサイズを劇的に減らせるPDFデータのトリミング方法ビジネスの悩みを解決するPDFドリル

PDFデータをトリミングしても非表示箇所のデータは残ったままなのでファイルサイズは変わらない。「非表示情報を検索して削除」を実行すれば非表示箇所を削除できるほか、ファイルサイズも削減できるので、メール添付などの際の取り回しもよくなる。

» 2013年06月24日 10時00分 公開
[kizukiBusiness Media 誠]

 PDFを相手に送る際、必要な箇所だけトリミングしておくことは相手に見てほしいポイントを明確化するのに有効なテクニックの1つだ。また、PDF内にあまり見せたくない情報が含まれている場合、それらを簡単に非表示にできる手軽な方法でもある。

 ところでこのトリミング機能を使ってPDFの一部を切り抜いたとしても、ファイルの容量はまったくといっていいほど変化しない。その理由は、トリミングによって削除されたように見える範囲は、実は画面上で非表示になっているだけでデータとしては残っているからだ。

 もしトリミングで非表示になっている範囲を削除したければ、「非表示情報を検索して削除」機能を利用する。これにより、相手に見せたくない部分を完全に削除し、併せてファイルサイズを劇的に小さくできる。

 具体的には、トリミングを実行したのち「保護」メニューの中にある「非表示情報を検索して削除」を実行。すると検索結果に「削除またはトリミングされたコンテンツ」が見つかるので、チェックを入れた状態で「削除」をクリックする(Adobe Acrobat XI Proの場合)。これにより非表示箇所が削除され、併せてファイルサイズも小さくなる。


トリミングツールを利用するには[表示]→[ツール]→[ページ]でツールパネルウィンドウを開き、[トリミング]を選択。ページ上の範囲をドラッグし、範囲選択が終わったらダブルクリックする(画像左)。「ページボックスを設定」の画面が表示されるので「OK」をクリックしてトリミングを実行する(画像右)


トリミングが行われた。ただしこの段階では非表示になった範囲が元データから削除されたわけではない(画像左)。トリミング後のファイルを、元ファイル(TEST.pdf)と比較してもファイルサイズはまったく変化していない(画像右)

 単にトリミングをしただけだと、相手がAcrobatなどトリミングが可能なPDF編集ソフトを持っている場合、非表示範囲を復元できてしまう可能性がある。上記の方法を使えば、こうした心配もなくなる。ファイルサイズが小さくなれば、メールに添付して送る際にサイズの制限に引っ掛かりにくくなるなど、取り回しも良くなる。知っておくと便利に使える機能だ。


非表示になった範囲を削除してファイルサイズを軽量化するには、「保護」メニューの中にある「非表示情報を検索して削除」を利用する(画像左)。「非表示情報を検索して削除」を実行すると、検索結果に「削除またはトリミングされたコンテンツ」が見つかるので、チェックを入れた状態で「削除」をクリック(画像右)

 なお、もともとがWordやPowerPointから生成したPDFデータで、その中から特定のロゴだけを抽出したい場合は、トリミングよりもスナップショットツールを使ったほうが便利だ。PDF上の一部分だけを切り抜くという意味ではよく似ているが、まったく別の操作になるので注意したい。スナップショットツールについては別記事にて紹介しているので、そちらを参照してほしい(参考記事:PDF内の一部分をOffice文書に貼り付けたい場合は)。


ファイルサイズの比較。215Kバイト→41Kバイトと大幅に削減されていることが分かる(画像左)。「ページボックスを設定」の画面を見ても、非表示箇所がなくなっていることが分かる(画像右)

連載「ビジネスの悩みを解決するPDFドリル」とは

 ビジネスの各シーンで利用するPDFファイル。このドリルを練習して、PDFを上手に活用できれば業務効率が向上し、コストの削減ができるはず! さらに、ビジネスのいろいろな問題も解決できるかもしれませんよ。


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