柿山さん 今の部署で得た経験は、企画の部署に移ったときにどうやったら生かせそうかな?
私 ……。
どうやったら生かせそうか――。何か流用できるものがあるんだろうか。毎日問い合わせ受けて、関連部署につないだり怒られたりしているだけですが……。
私 あ、打たれ強くなるとか?
柿山さん あはは、打たれ強さも確かに使えるよね。あのね、私の同僚に企画の人がいるんだけどさ。今回うちの部署に異動願い出してきたんだよ。まあ結局は受理されなかったんだけど。
私 えー、もったいない。私が代わって行きたいくらいです。理由はなんですか?
柿山さん 「お客様の声を、直接聞ける部署だから」だって。
柿山さんは私の表情を確認してから、話を続けた。
柿山さん 企画して形にしたものって、売れないと意味ないんだよね。自分の好きなアイデアが売れるものとは当然限らない。売れるものって、「顧客が喜んでくれるもの」なんだよ。だから顧客が何を感じてどんなことを求めているのか、直に聞ける部署に行きたかったみたい。その後また企画に戻れば、本当に顧客が喜んでくれるものを考えられそうだって。そう、言ってたよ。
どう思う? と柿山さんが目で確認してくる。でも何を答えてよいのか分かりません。
柿山さん だからね、「今の仕事が、理想の自分に近づくためにどう役立てられるか」そんな風に考えたら自分の仕事の「意味付け」ができて、少しは楽しくなってくるんじゃないかな? 私はそんな風に思うよ。
そう言って、柿山さんは仕事に戻って行きました。自分の目の前の作業は、理想の自分にどんな風につながっているんでしょう。自分の作業の「意味付け」ができると、作業に価値を感じられるようになり確かにちょっとだけうれしいように思えます。
もうそろそろ休憩時間が終わります。急激にとはいえないまでも、私は休憩前より楽しんで、自分の業務に取り組めそうな気がしたのでした。
仕事の「意味付け」は、あなたの代わりに周囲の人が率先して行うことはありません。ですから、まず自分で考えてみてください。日ごろ、仕事の目的を考えるながら業務にあたっていると思います。仕事の目的を考えるとともに、その仕事が自分の理想にどのように関わっているかまで考えるといいですよ。
他にも、「つまらなくとも、目の前のこと、とにかく、ものすごく集中する」ことも効果があります。こちらも「ツマル作業」にしたいときにはオススメです。
※この記事は、誠ブログの明日の私を強くするビジネス元気ワード:「ツマラナイ作業」を「ツマル作業」にするには?より転載、編集しています。
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