「世界で通用する人」って、どんな人?世界で通用する人がいつもやっていること(1/3 ページ)

「世界で通用する人」とは、どういう人なのでしょうか? 筆者の中野氏は、それは頭の良し悪しではなく、ちょっとしたコツやテクニックで決まると言います。今回は、その一部を紹介します。

» 2013年05月16日 08時00分 公開
[中野信子,Business Media 誠]

集中連載「世界で通用する人がいつもやっていること」について

 本連載は、世界で通用する仕事やコミュニケーションをこなす一流の人たちが実践していることを紹介している、中野信子氏著、書籍『世界で活躍する脳科学者が教える! 世界で通用する人がいつもやっていること』(アスコム刊)から一部抜粋しています。

 世界で通用する人がいつもやっていることとは、具体的にはどういうことなのでしょうか? 実は、「空気は読まない」「敵を味方にしていく」「適度なストレスを与える」「いつでも仕事が楽しそう」など、ちょっと練習が必要なものもありますが誰もが簡単に身につけることができるものばかりなのです。

 著者の中野氏は、東京大学大学院医学系研究科出身の脳科学者。世界上位2%のIQ所有者のみが入会を許される「MENSA」に所属し、フランス原子力庁勤務の経験もあるという。本書は、世界で活躍する脳科学者・中野信子氏が世界中で出会ってきた、世界で通用する仕事やコミュニケーションをこなす一流の人たちが実践していることを紹介した、今までにない自己啓発書です。本書を通じて、自分を磨くことをどんどん楽しめる人になってください。


著者プロフィール:

中野信子(なかの・のぶこ)

 東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻修了、医学博士。2010年までフランス原子力庁に勤務。世界で上位2%のIQ所持者のみが入会できるMENSAの会員。

 現在、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。

 学習法だけにとどまらず、音楽と脳、セックスと脳、コスプレと脳、恋愛と脳、人工知能と脳、言語と脳、香水と脳など、従来にない脳の分析も得意とする


空気は読まない

 ちょっと前まで、KY(空気が読めない)なんて言葉が流行っていましたよね。周りと歩調を合わせるのを美徳とする、日本らしい風潮かもしれません。

 確かに、他人を気遣うのは素晴らしいこと。でも、世界で活躍している人には、実はKYの人が多いのも事実です。

 私の先輩に、Sさんという日本人の研究者がいます。Sさんは日本だけでなくヨーロッパでも高い評価を得ていますが、「空気を読まない」ことで己を貫いています。

 一方、Sさんと同じ研究所には、Hさんという日本人の研究者もいました。Hさんは皆を気遣って、自分の希望しない研究にも手を貸していました。しかし、評価はいまひとつ……。

 SさんもHさんも研究熱心で、優れた論文を書いていました。なのに、周囲からの評価は明らかに違う。あまりにも不公平な気もしますが、この違いは一体どのようにして生まれたのでしょうか?

「自分の得意なものが何なのかをよく知っており、自分が苦手なことはやらない」

 つまり、

「周囲に自分を合わせるのではなく、周囲が自分に合わせるようにする」

 これがSさんの最大の特徴でした。

 Sさんは人の意向に自分を合わせるということを、まったくしませんでした。「苦手なものは苦手」と言って譲りません。またSさんは、苦手なところを克服するために時間や労力を使うのではなく、自分の得意なところをブラッシュアップするために使うのに徹していました。

 そして「これはできそうもないな」という部分は、自分でやることを避けていました。得意な人を探してその人に任せるという方法で、苦手なところをカバーしていたのです。

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