辞めるか、辞めないか悩む前にRe:Work !(1/3 ページ)

もうすぐ5月。新卒社員や転職者の中には環境の変化に対して不安や悩みが出始める時期かもしれない。私は転職に対して肯定派だが、それにはある程度の条件が必要だと感じている。今回はその辺りの話をしよう。

» 2013年04月26日 11時00分 公開
[三河賢文,Business Media 誠]

連載「Re:Work」とは

 今、働き方を見直す動きが増えています。新しい考え方やサービス、プロダクト。こうしたものを活用して働き方を変える人がいる一方で、現実にはそう簡単にいかず苦悩をガマンしている人も多いはず。「練り直す」「再生する」「再加工する」という意味の「rework」が、この連載の由来です。すべてを変えることは難しいかもしれませんが、まずは少しだけでも「Re:Work」してみませんか?


 4月も終盤を迎え、新卒社員の中には仕事に対して「イメージギャップ」を感じている人も多いだろう。転職者であっても同様で、環境の変化に対して不安や悩みが出始める時期かもしれない。

 私は過去、2社で会社員を経験した。最初に勤めたのは医療系の人材会社。営業職で入社し、それなりに成績も挙げたほうだと思う。しかし興味がこの業界から離れ、Webなどへと強く向いていったのだ。そのタイミングで、Web関連の会社へ転職。入社して2年9カ月のタイミングだった。

 しかし転職先も、5カ月で退職。1つは入社後すぐに「経営難である」ことを知ったこと。そして任される仕事があまりに当初の話から懸け離れていたこと。「このまま会社にいても、成長がない」と考えて、会社を飛び出したのだった。

 ただし、いずれも別に「会社コノヤロー」と思っていたわけではない。入社を決めたのは自分自身だし、良くも悪くも得るものはあった。最終的には独立したが、それもまた2社を経験したからこそ「これなら、自分でやってみようじゃないか」と思えたからだと考えている。

 そんな流れで今を過ごす私にとって、転職は「どんどんすればいい」というのが率直な意見である。しかしそこには、ある程度の条件が必要だとも思う。今回はその辺りの話をしよう。

“本気で”辞めたいと思っているのか

 退職する人の多くは、「なぜ辞めたいのか」を本質的に理解できていない場合が多い。例えばよく聞く理由の1つに、次のようなものがある。

 「やりたいことができない」

 では、あなたにとって「やりたいこと」とは何なのか。そしてそれは今だからできないのか、それとも会社にいる限りできないのか。さらに言えば、それをやるための努力を本当にやり尽くした果ての結論なのか。特に、最後の点は重要である。

 「やれる事はすべてやった。でも、今の会社では実現できない。それでも私はそれがやりたい!」

 そう強く思えるのなら、もはや何も言うことはない。辞めて次へ進むべきだろう。むしろ今の会社に居続ける時間そのものが、もったいないくらいだ。

 しかしそう即答できないのなら、まだ解決の余地はあるかもしれない。異動願いを出すなり新規事業の立ち上げを提案するなり、やってみれば良いだろう。「できないなら辞める」くらい本気で考えているのなら、何をしても怖くなどないハズだ。上司が取り合ってくれないのなら、直接社長をつかまえてみたら良い。逆に「そこまでは……」と後ずさりしてしまうなら、それこそ「やりたい」という思いは「そこまで」なのだろう。他によほどの理由がないのなら、退職するほどのことではない。

 これは、例えば人間関係などにも当てはまる。「絶対に解決できない」ところまで突き詰め、それでも退職を考えるのなら、何も考えず一歩前に出てしまえば良い。愚痴ばかり言って、周囲が変わることを待っているようではその程度。実際私も、最初の会社で「この人(上司)とは仕事をしたくない」と人事や営業本部長へ直談判したことがある。そのときは、一度は突っぱねられたものの、こちらの本気度を察したのか異動することになった。突っぱねられた時点で転職活動を開始したので、結局異動してすぐに退職することになるのだが……。それでも、“やった”からこそ気持ちよく退職できたと思っている。

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