優しい上司と厳しい上司、あなたはどっち?

部下を持つ管理者の共通した思い込みがある。多くの管理者は、その思い込みから抜け出せないまま、部下とコミュニケーションを取り続けている。部下と本気で向き合えない上司に明日はないと思え!

» 2013年04月24日 08時00分 公開
[鬼本昌樹,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:鬼本昌樹(きもと・まさき)

戦略人財コンサルタント代表。元人事部長、役員の経験と、現場感覚を持ってチェンジマネジメントとパフォーマンスマネジメントの問題を解決する。


 あなたは、部下からどのような評価を受けているか知っているか? 「あなたの部下は、あなたのマネジメントに対して不満を持っていますよ」と言うと、多くの上司は突如として怒り出すに違いない。もちろん、こんなことは決して言えないが……。

 ある外資系企業で“組織の活性化”のために、全社員の個別面談と上司の個別面談する機会があった。そのとき、上司に対して「あなたは、部下のマネジメントができていますか?」、また、部下に対して「あなたは、今の上司のマネジメントをどう思いますか?」と聞いた。

 とても面白い結果がでた。上司の85%は「マネジメントができている」と、自己満足の自己評価。一方、部下は「67%の上司はマネジメントができていない」と、上司を評価している。この差は何なんだろうか?

 上司は「自分は公平に部下を扱っている」。一方、部下からは「上司は、自分の意見と違うと無視したり否定します」「気の合わない部下の悪口を聞かされる」「好き嫌いが激しく、朝の気分次第で一日が決まる」「『空気を読め』と言われる」などのコメントが続出。

 “自信過剰な上司”と“不満を抱いたまま仕事をしている部下”というチーム環境が実態として浮彫になってしまった(この企業では)。

部下によく思われたい管理者は裸の王様?

 これらを上司にフィードバックしてみると、「僕は今まで部下から不平や不満を一度も言われたことはありません。何かの間違いでしょう」。実は、この上司は、部下からの評価で一番ひどい人。自分ではまったく気がついていない! 裸の王様?

 「上司はとても厳しいです。いつも背筋がピーンと張った状態です。それに、よく叱れます。でも、上司は自分を認めてくれているので頑張れます。小さな成功も自分のように喜んでくれます」

 こんなコメントをくれた部下の評価が一番良かった。自分の利害に関係なく、部下と対して、自分の役割・責任に対して真剣に、本心で、本気で取り組んでいる上司に高い評価があげられた。

 人気取りの上司は、実は、部下からあまり評価されていない。部下からの評価が一番高かったのは、“部下をやる気にさせる上司”であることをしっかり理解したい。

 褒めるだけの上司も不合格、叱るだけの上司も不合格。叱るときは、本気で叱れる上司。大きなミスで叱るのではなく、小さいミスで叱る! 大きいミスは本人が一番反省をしている。そこに叱ったら逆効果。褒めることも、叱ることもできない上司には明日はないと考えよ。(鬼本昌樹)

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