「くじけぬ心」を持てば、未来はもっと明るくなるRe:Work !(1/5 ページ)

間もなく新年度が始まる。この時期は、意気揚々とスタートを切ったものの、「こんなハズでは……」となるケースも少なくない。今回は私なりに「くじけない」ための心の持ち方や対策についてお伝えしたい。

» 2013年03月28日 10時00分 公開
[三河賢文,Business Media 誠]

連載「Re:Work」とは

 今、働き方を見直す動きが増えています。新しい考え方やサービス、プロダクト。こうしたものを活用して働き方を変える人がいる一方で、現実にはそう簡単にいかず苦悩をガマンしている人も多いはず。「練り直す」「再生する」「再加工する」という意味の「rework」が、この連載の由来です。すべてを変えることは難しいかもしれませんが、まずは少しだけでも「Re:Work」してみませんか?


 仕事を続けるために体調管理はもちろんのこと、健やかな精神状態もまた大切な要素といえる。特にフリーランスであれば、ちょっとした不調が命取りとなることだってあり得る。意欲が低下したことで仕事の質そのものにまで影響すれば、「もう、あなたには頼まない」なんてことになりかねないからだ。

 例えば手洗いやマスク着用、運動など、日ごろ健康管理に取り組んでいる人は多いことと思う。それでも体調を崩してしまうことはあるかもしれないが、ある程度は予防できるものだ。しかし精神面については、そう簡単ではない。仕事で失敗したり、壁にぶち当たったりすることで、突然心が折れてしまう。そんな経験をしたことのある人は、少なくないだろう。

 これから春になり、多くの企業には新卒社員が入社する。意気揚々と社会人としてのスタートを切ったものの、「こんなハズでは……」などと言って早期離職となるケースも多いはずだ。あるいは既に働いている社会人でも、部署異動や新たなプロジェクトの開始などで、これまでにない苦難に遭遇する可能性はある。

 そこで今回は、私なりに「くじけない」ための心の持ち方や対策についてお伝えしたいと思う。会社員、フリーランス、そして経営者として短いながら乗り越えた多くの苦難を基に、読者が働くことに未来を持てるキッカケになればうれしい限りだ。

失敗とは何なのか?

 どんなときに、人は「くじける」のか。恐らく最も多いのは、何かに失敗したときだろう。

  • 営業成績が振るわなかった
  • 自分のミスで周囲に迷惑を掛けてしまった
  • 告白したのに、フラれてしまった

 人々に自分の失敗談を聞けば、実にさまざまな意見が挙がってくるはずだ。しかし、ちょっと考えてみてほしい。それらを「失敗である」と決めているのは、一体誰なのだろうか。そう、それは紛れもない自分自身なのである。

 つまり失敗が「くじける」原因になっているとすれば、自分で自分をくじけさせていることになる。これは、どうにも納得がいかない。それならば、くじけない自分を作ることは容易なはずではないだろうか。

 例えば先ほど新卒社会人の話を出したが、既に来年卒業する学生も就職活動を開始している。書類や筆記、面接選考を経て内定……しかしどこかでつまずき、不採用になったら。多くの学生は、きっとそれを「失敗」と感じることだろう。

 しかし私から言わせれば、そんなのは失敗でも何でもない。社会人の中には、恐らく賛同する人も多いのではないだろうか。

 よく考えてみてほしい。もしその会社から内定を得たとして、そこで就職活動をやめてしまうのか。卒業ギリギリならそこで終了するかもしれないが、ほとんどはそうではないだろう。

 「まだ、もっと良い会社があるかもしれない」

 そう考え、多くの学生は内定を得ても就職活動を続けるはずだ。もはや6年も前のことになるが、実際に私もそうだった。ではその会社に不採用になったことは、本当に自分にとって「失敗」といえるのだろうか。

 もっと言えば、むしろ不採用通知を受けることは良いことだとさえ思っている。会社の採用活動というものは、想像している以上にコストのかかるものだ。求人サイトに掲載し、面接や会社説明会に時間を割き、場合によっては外部エージェントに採用業務の一部を委託する。私は人材業界に身を置いた経験があるので、これは身近に見てきた事実だ。だからこそ会社は、本当に「来てほしい」あるいは「自社なら活躍できる」と思える人材しか採用しない。

 例えば、会社側も半信半疑なままで内定を出したとしよう。「ちょっと当社には合わないかもしれないけど、もしかしたら活躍できるかも」なんていう具合だ。で、いざ入社してやはり会社に合わなかった。仕事がつらい、雰囲気が嫌い。そんな結末になるのなら、むしろ内定を得たことの方が「失敗」なのではないか。いっそ不採用とキッパリ判断してもらえた方が、その先にマッチする会社と出会えたかもしれないのだから。

 そう考えると、「失敗とは何なのか?」なんて分からなくなってくる。ここに、私はポイントがあると思う。つまり失敗なんて自分で作りだしているだけで、実際には存在しないものなのだ。たった二文字の“失敗”なんていう言葉を安易に使ってしまうから、どんどん自分を追い込んでしまう。

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