素晴らしいアイデアと綿密な戦略が成功の近道?トップ1%の人だけが実践している思考の法則(1/3 ページ)

ビジネス成功への近道は、必ずしも最高のアイデア、綿密な計画があることではありません。むしろ、実験と修正を繰り返した結果、よいものを残していく「生物の進化論」をベースに考えるとよいでしょう。

» 2013年01月31日 10時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

 成功する一握りの人々だけが実践する、共通の「思考の法則」を知るには、いったん私たちが常識だと考えてきたルールをリセットする必要があります。そして、彼らの行動や考え方に注目し、そのエッセンスを吸収して、その根底にある思考のサイクルを身に付けることが重要です。

 成功者はみな、次にあげる5つのビジネスプロセスを何度も、高速回転で循環させています。私は、キーワードとなった5つの英単語の頭文字をとって「5Aサイクル」と呼んでいます。

  1. 顧客の抱える問題の「認知」(Awareness)
  2. 問題解決のための従来と異なる「アプローチ」(Approach)
  3. アイデアのスピーディな「実行」(Action)
  4. 仮説と実行結果の差異に対する「分析」(Analysis)
  5. マーケットニーズに合わせた柔軟な「適応」(Adjustment)

 さて、ここで問題です。

【問題】解答例にならって自分なりに考えてみましょう。

  • あなたは、貯金をはたいて小さな会社を立ち上げようとしている起業家だ。しかし、これといって確信できるビジネスアイデアがあるわけではない。同僚や先輩からは、もっとしっかりしたアイデアを思い付くまで待った方がよい、ともアドバイスされているのだが……。


解答例A

  • もちろん、具体的な製品や綿密な計画がなければ始まらない。しっかり、事業内容や戦略、戦術を決めてから活動すべきだ。

解答例B

  • どんなに綿密な計画を立てたところで、やってみなければ分からない。まずは、活動拠点となる会社を作るほうが先決だ。事業は後からついてくる。

ビジョナリー・カンパニーの条件

 元スタンフォード大学教授のジェームズ・C・コリンズらは、長年、超一流企業であり続けた代表的な企業(3M、アメリカン・エキスプレス、ボーイング、ゼネラル・エレクトリック、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど18社。中には150年以上も繁栄している企業もある)を選び出し、ビジョナリーカンパニー(未来志向の企業)と名付け、創業から長年にわたる軌跡を同業他社と比較調査しました。

 その結果、意外な事実が判明しました。一般的に考えられている「一流企業として存続する条件」は、彼らが選んだ優れた企業には、当てはまらなかったのです。

 通常は「素晴らしいアイデアがあり、それを実現するために会社を設立したのだろう」と私たちは思い込みがちです。しかし、多くの優れたビジョナリーカンパニーの設立時の様子を調べると、「取りあえず会社を作った。そして、アイデアを探した」のが実態だったのです。特に設立初期では、なんでも屋のようにあらゆる可能性を試した企業が多いのです。

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