用紙の節約のために、資料の2ページを1枚にまとめて印刷することはよくある。Adobe Acrobat XIの印刷機能を使えば、これを元の1ページずつの状態に復元できる。
PDFのページを左右または上下に分割し、個別のページとして保存したいことはないだろうか。2ページを上下に並べて印刷したプレゼン資料を元のページ割に復元したい場合や、フラットベッドスキャナを用いて取り込んだ本の見開きを左右に分割したい場合がこれに該当する。
こうした場合、Adobe Acrobat XIの印刷機能を使うと、1ページを複数ページに分割できる。Adobe Acrobat XIは、印刷時のページサイズの処理で「ポスター」モードがある。これは印刷時に1ページに収まりきらないサイズを複数ページに分けて印刷する機能なのだが、この機能を応用し、出力先としてプリンタではなくPDFを指定すれば、あたかもPDFをハサミできれいに切り取ったかのように分割して出力できるのだ。
設定するのは印刷画面で、出力先が「Adobe PDF」になっていることを確認したうえで「ページサイズ処理」で「ポスター」を選択。「向き」は、分割後のページの向きを指定する。縦長のページを二分割するのであれば分割後は横長になるので「横」、横長のページであれば「縦」を選ぶ。
続いて拡大率を指定する。ここがちょっとややこしいところで、今回の例であればA4サイズを2分割してA5になったものを元のA4に復元するので、実質的にはA5→A4へと拡大することになる。よってここではA5→A4の倍率である「141%」を指定する。
ただし、用紙サイズがわずかでもはみ出ると2分割のつもりが4分割になってしまうことがあるので、わずかに小さい「140%」などにしておくとうまくいくようだ。何度かやってうまくいかなければ微調整してほしい。
あとは印刷を実行すると、PDFが出力される。半回転して出力された場合は「表示」→「ツール」→「ページ」→「回転」で正しい方向に回転させたのち保存すれば完了だ。拡大率のところでコツをつかむまでがやや難しいが、いったん感覚が分かってしまえばあとは簡単だ。必要に応じてトリミングツールで余白を削除すれば、一層見栄えが良くなるだろう。
ちなみにこの「PDFを再度PDFとして保存し直す」方法、アドビシステムズが推奨している方法ではない。作成したPDFによっては文字化けや画質が劣化する懸念があるからだ。従って、まずは自分で使う資料などから試してみるといいだろう。
ビジネスの各シーンで利用するPDFファイル。このドリルを練習して、PDFを上手に活用できれば業務効率が向上し、コストの削減ができるはず! さらに、ビジネスのいろいろな問題も解決できるかもしれませんよ。
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