「Firefox 18」の正式版リリース 新JavaScriptエンジンで25%高速化

Firefoxのバージョン18は、新JavaScriptエンジン「IonMonkey」の採用でWebアプリやゲームの稼働速度が最高で25%高速化した他、Mac版ではRetinaディスプレイに対応。Android版ではセーフブラウジング機能や検索でのサジェスト機能が追加された。

» 2013年01月09日 07時20分 公開
[鈴木聖子, 佐藤由紀子,ITmedia]

 Mozilla Foundationは1月8日(現地時間)、Webブラウザ安定版のアップデートとなる「Firefox 18」をWindows、Mac、Linux、Android向けに公開した。

 新JavaScriptエンジン「IonMonkey」の採用で高速化した他、Webブラウザでのリアルタイムコミュニケーションフレームワーク「WebRTC」のサポート、Mac版でのRetinaディスプレイ対応などが追加された。Android版ではセーフブラウジング機能、「Google Now」の統合、検索サジェスト(オプトイン)などの新機能が追加された。

IonMonkeyで25%高速化

 従来のJagerMonkeyに代えて採用した新しいJavaScript JITコンパイラ「IonMonkey」により、Webアプリやオンラインゲームの稼働速度が最高で25%速くなるという。Mozilla Developer Networkが制作した3Dゲーム「BananaBread」でそのスピードを体験できるとしている。

 Mozillaが昨年9月に公開したIonMonkeyのベンチマーク結果によると、Krakenでは26%、Google V8では7%、Firefox 17より速くなっている。

 firefox 1 IonMonkeyのベンチマーク結果(左はKraken、右がV8)

セキュリティ関連の更新

 セキュリティ関連では、計20項目の脆弱性に対処した。うち12項目を、重要度が4段階で最も高い「最高」に区分けしている。この中には、Googleが報告していた不正なデジタル証明書発行問題に関連して、トルコの認証局TURKTRUSTが手違いで発行していた2件の中間証明書を失効させる措置も含まれる。問題の証明書のうち1件は、ドメイン名の中間者(MITM)トラフィック管理に悪用されていた痕跡があるとしている。

 このほかにもJavaScript ProxyオブジェクトやVibrate、ListenerManagerなどに存在する解放後使用、プラグインオブジェクトを通じた特権昇格、JavaScript文字列連結におけるバッファオーバーフローといった深刻な問題を多数修正。これら問題を悪用された場合、クラッシュを誘発されたり、任意のコードを実行されたりする恐れがある。

 また、法人向け延長サポート版も「Firefox ESR 10.0.12」に更新され、同じ脆弱性を修正している。

 デスクトップ版の変更点一覧はこちら

Android版ではセーフブラウジングを有効化

 firefox 2 検索の際、サジェスト機能を有効にするかどうか尋ねられる

 フィッシングサイトやウイルス配布サイトである可能性のあるWebサイトにアクセスしようとすると警告が表示される「セーフブラウジング」機能が追加された。

 また、Awesome Bar(URLや検索語を入力する枠)での検索で、サジェスト機能をオプトインで有効にできるようになった。

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