想像することが苦手な人に、年間ビジョンの作り方ボクの不安が「働く力」に変わるとき(1/5 ページ)

新年を迎えて「今年はこんなことにチャレンジしたい」という人も多いのでは。しかし実際には、なかなかうまくいかない。なぜうまくいかないのか。今回は「1年の計画の立て方」について紹介しよう。

» 2013年01月01日 00時00分 公開
[竹内義晴,Business Media 誠]

ボクの不安が「働く力」に変わるとき:

 「毎日しんどいなあ。どうしたら、もっと楽しく働けるんだろう」――。

 先行き不透明なビジネス環境が続いている。ストレスが多くギスギスした人間関係の職場で、「いつか“うつ”になるかもしれない」と不安を感じながら働いている人も多いのでは。

 本連載『ボクの不安が「働く力」に変わるとき』では、労働者一人ひとりが抱えているメンタル面やモチベーションの課題、職場が抱えているコミュニケーションや人間関係の問題などを取り上げ、「どうしたら楽しく働く環境をつくれるか」をテーマに考えていく。

竹内義晴(たけうち よしはる)

 1971年生まれ。経営者、教師、コンサルタント、コーチ、カウンセラーなど、リーダー層を支えるビジネスコーチ。人材育成コンサルタント。

 自身がプレッシャーの多い職場で精神的に追い込まれる中、リーダーを任される。人や組織を育てるには、マネジメントの手法だけでは太刀打ちできないことを痛感。優れたリーダーたちが使う卓越したコミュニケーションスキルを学び、実践。チームの変革に成功する。実践の経験から、難しいコミュニケーションスキルを誰もが現場ですぐに使えるようにした独自の手法「トライアングルコミュニケーションモデル」を考案。実践的なコミュニケーション方法を伝えるコミュニケーショントレーナー。

 米国NLP協会認定NLPトレーナー、NPO法人しごとのみらい理事長。著書に『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』(こう書房)がある。

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 2013年、新しい年が始まりましたね。新しい年を迎えるとき、私たちは「今年はどんな年になるかな」「今年こそいい1年にしたいな」と考えます。

 しかしこのようなことを毎年思うものの、実際にはぼんやりと考えることで終わってしまい、なかなか行動や結果に結びつかない……そんな経験を持つ人も多いでしょう。

 そこで今回は「1年の計は元旦にあり」をテーマに、1年の計画の立て方についてお話します。

「1年の計」の目的を“ゴール”にする

 年初の計画というと、年末に「計画したことができたか/できなかったか」という評価に使われるシーンが多いですよね。それだけにタスクレベルの細かい行動計画を立てる人もます。けれども行動計画を評価に使うことを目的にすると、1年後に振り返ったときに自分が「何をしてきたか」ということよりも、「何をしてこなかったか」ということに目が向き、自分の努力不足を認めるような形になってしまうので、なんとなく記録に残しておきたくないという人もいるでしょう。

 例えば、私も2012年1月初旬に「竹内義晴の(妄想たっぷり)2012年の3大ニュース」という記事をブログに書き残しました。そして1年前に書いた自分の記録を振り返ろうと思ったのですが、振り返ることに小さな恐れがありました。「1年前は○○だと考えていたけれど、あ〜あ、あれもできていない、これもできていないと、後悔の念が沸々と湧いてくるのではないか」と。

 けれども、実際には違いました。できなかったことを後悔するよりも、「1年前はこんなことを考えていたんだなあ」「ざっくりとした方向性ではいいところに来たな」と大きな方向性が合っていたことが確認できたことに、新しい年に向けて前向きなとらえ方ができている自分が、今、ここにいます。

 なぜ後悔ではなく前向きな気持ちでいられるのだろう? それは「1年の計」の目的に違いがあるからだと気がつきました。私にとって「1年の計」はプロセスではなく、“ゴールイメージ”だったのです。

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