会社員はこんなにも恵まれているRe:Work !(1/3 ページ)

会社員とフリーランスの両方を経験した身として、やはり会社員は恵まれていると思う。会社員には、会社員だからこそやれることがある。今の環境に感謝しながら、自分のために新たな挑戦をしてみてはいかがだろうか。チャレンジは、誰にだってできるのだ。

» 2013年01月07日 12時30分 公開
[三河賢文,Business Media 誠]

連載「Re:Work」とは

 今、働き方を見直す動きが増えています。新しい考え方やサービス、プロダクト。こうしたものを活用して働き方を変える人がいる一方で、現実にはそう簡単にいかず苦悩をガマンしている人も多いはず。「練り直す」「再生する」「再加工する」という意味の「rework」が、この連載の由来です。すべてを変えることは難しいかもしれませんが、まずは少しだけでも「Re:Work」してみませんか?


 居酒屋などに行くと、よくサラリーマンが愚痴をこぼしているのが聞こえてくる。また私のようにフリーランス、あるいはノマドワーキング※スタイルで仕事をしていると、羨ましがられるようなことも多い。

※オフィスに縛られることなく、飲食店などを活用し、働く場所を自由に選択しながら仕事をする働き方。

 私も会社員時代は、よく会社や上司に対し不満を持っていた。独立して自由に働くスタイルに憧れを持っていたし、そういった気持ちも分かる。しかし誤解を恐れずに言うならば、会社員を経てフリーランスとして独立したからこそ「会社員は恵まれている」ことを知ってもらいたい。

 最近は、少し安易にフリーランスになる人が増えてきた。恐らくこれには大きく2つの理由がある。1つはITやWebが発展してフリーで働く環境が比較的簡単に作り上げられるようになったこと。もう1つは不況などの影響から会社への信頼が持てなくなっていることだと思われる。しかし私は、そういった人に「待った」と言いたい。

 もちろん私のように、フリーで仕事をすることが合っている人もいるだろう。しかし、誰にでも適するとは思わない。いま一度、会社員がどれだけ恵まれているのかを確認してもらいたい。フリーランスを目指すなら、それからでも遅くはないはずだ。

「仕事がある」ということ

 毎朝、電車に乗って出勤する。「その目的は?」と聞かれれば、当然ながら仕事をするためだ。そう、会社に行けば仕事があるのだ。ここでいう「仕事」とは、それをすることで収入を得られるものを前提に考えてもらいたい。

 閑散期などで多少暇という時期があるかもしれないが、それでも何かしらやることはある。営業ならターゲットリストを作ったり、事務なら書類整理をしたりといった具合に、会社に行っても一日中まったく何もやることがないという状況は、ほとんどないだろう。なぜなら会社というものは、複数の社員で構成された組織だからである。

 例えば私は人材サービスの営業をしていたことがあるが、外勤がなくても新規営業先のリスト作成や登録人材の状況確認などをしていた。新規営業をするのは毎日のように新たな転職希望者が集まってくるからであり、この「転職希望者を集めている」のは、私以外の社員だ。

 転職希望者を集めていなければ、それこそ私は何もやることがない。紹介できる人材がいないのに、必死に求人情報を取ってきても無駄だからだ。

 これは逆のことも言える。私のような営業マンが求人を取ってくるからこそ、転職希望者を集められる。当然ながら、求人情報がないのにいくら転職希望者を集めたところで、無意味なのは明白だろう。

 このように会社では社員同士がそれぞれの役割を担い、連携を持って仕事が生まれている。会社にいながら「1人で事業を回している」なんていう人は、いないはずだ。例え1人で新規プロジェクトを立ち上げているとしても、そのプロジェクトを動かせるのは他の社員が主たる事業を回し、プロジェクトを立ち上げられる基盤を作っているからなのだから。

 つまり会社では、倒産しない限り常に「仕事」がある。そしてその対価として、収入が得られる。これは当然のことかもしれないが、フリーランスではありえないことだ。

 朝起きて何もやることがなければ、なんとかして仕事をもらおうと営業なりするだろう。とにかく自らが動き続けなければ、あっという間に仕事がなくなってしまう。仕事を得られなければ、その先はお分かりだろう。仕事がない=収入が得られなければ、生活することすらできない。そうやって、独立したものの会社員へ戻っていく人を、私はこれまで大勢見てきた。私自身も、その直前までいったことがある。

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