機密情報が含まれている文書を対外的に公開しなくてはいけない場合、PDFファイルであればAcrobatを使って「墨消し」機能を使えば指定した個所だけを塗りつぶし、併せて非表示情報も削除できる。
相手にビジネス文書を送りたいのだが、文書の中に部外秘や社外秘といった機密情報が含まれていて、そのままでは送れない――という場合がある。元の文書を作り直すのでは公式な書類としての意味がなくなってしまうし、かといって印刷してペンで塗りつぶしたのちスキャンして再度デジタル化するというのもおかしな話だ。
こうした場合にPDF化するとその後の作業が楽になる。PDFでは「墨消し」という機能が用意されている。名前のとおり、PDF上の特定の文字列を選択して墨で塗りつぶす機能だ。これにより、機密情報をPDF上で非表示にできるというわけだ。
この「墨消し」を行うには、Adobe Acrobat 8 Professional以降を利用する(Pro版のみ。Standard版には非搭載)。操作は簡単で、例えばAdobe Acrobat XI Professionalであれば「表示」−「ツール」−「保護」をクリックし、消したい文字列を範囲選択して「墨消しとしてマーク」を選択。すべて選択し終えたら、最後に「墨消しを適用」をクリックして完了だ。テキスト以外に、画像などでも同様の操作で墨消しが行える。
もっともPDFの場合、見た目は削除されていても、同じ情報が検索用に埋め込まれている可能性もあるので、これだけで終えてしまっては危険だ。本文内では消えているが、キーワードとして埋め込まれていて、検索ではヒットしたりすると目も当てられない。その点、上記の「墨消しを適用」の操作では、PDFに埋め込まれている非表示情報も併せて検索し、削除してくれるので安心だ。
数年前にあった事件で、PDFをホームページに掲載する際、こうした機密情報を長方形ツールを使って見た目だけ非表示にし、ばっちりコピーされてしまって謝罪に追い込まれたことがあった。この「墨消し」の存在を知っていれば、こうしたミスも起こらなかったはず。部外秘や社外秘のPDFを扱う機会の多い人、Webページ上での公開を任されている人などは、知っておくべき機能と言えるだろう。
ビジネスの各シーンで利用するPDFファイル。このドリルを練習して、PDFを上手に活用できれば業務効率が向上し、コストの削減ができるはず! さらに、ビジネスのいろいろな問題も解決できるかもしれませんよ。
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