「不機嫌な上司」にならないために――自分で自分を上機嫌にできる?田中淳子のあっぱれ上司!(1/2 ページ)

部下は常に上司の様子をうかがうもの。だから上司の機嫌は職場の雰囲気にも直結する。上司たるもの、不機嫌な気持ちであっても自分自身を上機嫌にする必要があるのだ。

» 2012年11月06日 09時00分 公開
[田中淳子,Business Media 誠]

編集部からお知らせ

 ITmedia エグゼクティブでの人気連載「田中淳子のあっぱれ上司!」が誠 Biz.IDにて再開します。悩める上司と部下の付き合い方を、企業の人材育成に携わって27年(!)の田中淳子さんが優しくにこやかに指南するこの連載、部下とのコミュニケーションに悩んでいる上司はもちろん、そうでない上司も必見です!


 人材育成の仕事で出会うのは若手から中堅という層が最も多い。彼ら・彼女らは上司の一挙手一投足をよく見ている。「上司の機嫌をよく観察して、“今なら報告しても大丈夫かな”と見極める」「午前中は機嫌が悪いから、ややこしい話は午後するようにしている」などと、上司の状態、特に「機嫌」を把握して行動しているようだ。そういえば、私も上司の顔色、様子を遠くから観察し、「機嫌」の良しあしを気にすることは多かった。でも考えてみたら、これはよいことなのだろうか。

 上司だって人の子で、機嫌が悪くなる事も多々あるものだ。例えば、さらに上の上司から無理難題と思える注文を受けたり、売上目標に達していない原因は何かと詰問されたり――。部下の知らないところで苦労をしていることは分かる。それは十二分に理解しつつも、やはり部下に不機嫌や様子を見せ、機嫌のよさを部下がしょっちゅう気にしなければならないというのは、あまりよろしくない。

自分で自分を上機嫌にする術を持つべき

 上司というのは、ただでさえポジションパワーを持つ。「上司」というだけで「部下」から見れば、近づきがたかったり、恐れ多い存在だったりする。その上、不機嫌ときたら、部下が報告も相談もしづらいと感じるのは無理もないことだ。

 不機嫌な上司を見ていると、部下の気持ちも沈む。職場全体の空気も沈滞する。部下の前で不機嫌な様子を見せるというのは、それで許してもらえる、という甘える気持ちも多少はあるのかもしれないが、仕事場なのだから、上司は自分で自分を上機嫌にする術を持っているべきである。

 「管理職になった時、まっさきに考えたことは、感情を安定させることだった。メンバたちが私に話しかけやすいように、他部署の人が相談事など持ちかけやすいように、自分の感情をコントロールすることをとても強く意識するようになった」

 ある新任マネージャーが話してくれたことだ。彼がいつも穏やかな様子でいるのはそのためか。声を荒げる場面を見ることもないし、険しい表情やイラついた様子などもまるで見せることがない。意識して自分のプレゼンス(見た目)を整えていると聴き、関心した。

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