「あいまい記憶」を一掃する「図解式勉強法」は英語にも効くすべての勉強は図でうまくいく

つなげて、まとめる、というシンプルな図解式勉強法。今回は英語に効果的な方法を紹介します。

» 2012年10月26日 08時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

 つなげて、まとめる、というシンプルな図解式勉強法。前回までは、その基本的なルールを紹介しましたが、今回から具体的な応用例をいくつか紹介していきたいと思います。まずは「英語」です。

記事を流し読むだけでなく「図」で描き出してみる

 語学力を高めるために、外国語の新聞を読んでいる人も多いでしょう。私も毎朝、英字の業界新聞をスマートフォンで読むようにしています。しかし、単にサラリと目を通すだけでなく、そこに現れるキーワードを関連づけて、記事の流れを図解することで、より深く各々の言葉が脳裏に刻まれます。

英単語を意味的なつながりがないまま、ひたすら記憶するのは苦痛です。なるべく意味的なつながりを図示して、単語をネットワーク化すると、長期に定着しやすくなるのです

 例えば上の図は、福島原発事故を報じた海外メディアの記事で頻繁に登場するキーワードを理解、記憶するためにまとめた図解です。

 「このdisaster(災害)は、earthquake(地震)がtrigger(引き金)となり、巨大なtsunami(津波)を引き起こした。また、powerstation(発電所)は自動でshutdown(停止)したが、肝心の冷却装置がlossofpower(電源喪失)によって動かなくなり、meltdown(炉心溶融)が始まった……」

 このようにキーワードを並べ、線で関連づけたり、グループでまとめることによって、全体を1つの物語として理解でき、単なる断片情報の詰め込みとしてではなく、しっかりと把握できます。

大きな全体図で「位置関係」を明確に、「あいまい記憶」を一掃

 言葉を覚えるときは、目に見えるものであれば、なるべく絵や映像とセットで覚えるほうが効果的。外国語を勉強する場合も、いったん日本語に置き換えてしまうとその分、理解に時間がかかります。しかし、絵(映像)にすると認識にかかる時間を減らせます。人間の映像処理能力はスーパーコンピューターも顔負けで、映像の一部を思い出すことができれば、そのほかの部分を簡単に引っ張ってくることができるのです。

 絵や映像の学習効果が高いとはいえ、キレイな絵を描くのは素人には難しいことです。しかし、重要なのはどれだけ詳細な絵を描くかではありません。覚えたいキーワードが全体のどこに位置するのか、どんな役割を担っているのかを明確にすることが目的です。ですから、細かい描き込みは不要。例えば、下の図は人間の各部位を表わす英単語を1枚のイラストに当てはめたものですが、誰でも描ける超デフォルメ画です。

 図解を使ったまとめノートを作成する場合は、このように1つのテーマに関してはなるべく1つの絵や図に集約すること。図の点数が増えると記憶も分散し、全体像が把握しづらくなるので注意しましょう。


集中連載『すべての勉強は、「図」でうまくいく』について

『すべての勉強は、「図」でうまくいく』 『すべての勉強は、「図」でうまくいく』(永田豊志・著、三笠書房・刊、本体1365円)

 連載の内容は、2012年9月28日に発売の『すべての勉強は、「図」でうまくいく』(永田豊志・著、三笠書房・刊)から一部抜粋しています。

 「図解思考」シリーズ、最強フレームワーカーへの道でおなじみの著者・永田豊志が、誠 Biz.ID読者の悩みである「勉強法」にまったく新しいアプローチで切り込みました。

 勉強が苦手な人、覚えたり、まとめたりするのが苦手な人でも「図解式勉強法」を身に付けることで、理解力と記憶力が驚くほど向上! これまでの辛い、退屈な勉強法とはおさらば。新しい学習方法は、あなたに新しい人生の扉を開いてくれることでしょう。


目次

  • 第1章:「図解」を使うと、なぜ頭がよくなるか?

 これまでの学習方法がうまくいかない理由と知識を構造化する図解のメリット

  • 第2章:「図解」の基本はたった“これだけ”!

 理解力、記憶力が劇的に深まるキーワードをつなげて、まとめる方法

  • 第3章:「図解」の応用で成果が10倍アップ!

 6つの情報整理箱で学習効果が見違えるほどに

  • 第4章:まとめノートの作り方

 自分専用必勝教科書ができる

  • 第5章:実力を飛躍的に高める習慣

 プラスの循環が始まる法則

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 ビジネスマンの「知的生産性の向上」をテーマに精力的に執筆・講演活動も行っている。近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』『ノート・手帳・メモが変わる絵文字の技術』(中経出版刊)、『すべての勉強は、「図」でうまくいく』(三笠書房刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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