スケジュール管理はデジタルより手書き? JMAMの2013年版手帳トレンド調査

日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)は、「手帳市場トレンド調査」の結果を発表した。30代男性の好みが昨年の小型サイズから大型サイズの手帳に移りつつあるなど、興味深いデータが出てきた。

» 2012年09月27日 15時05分 公開
[Business Media 誠]

 能率手帳などを提供する日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)は9月27日、20〜60代の男女1060人(有職者、学生、パート・アルバイト、主婦)を対象とした「手帳の使い方に関する調査」結果を発表した。

 調査によると、現在スケジュール管理をスマートフォンなどのデジタルツールで行っている人のうち、21.6%が2013年は手帳やカレンダーなどのアナログツールに移行。全体として、手書き派が増える傾向が見えてきた。また購入する手帳のサイズに関する設問では、30代男性が好むサイズが2011年調査は150×100ミリ(縦×横)の小型サイズが最も人気だったところが、2012年調査は215×155ミリの大型(A5)サイズを選ぶ人が増えていることが分かった。

2013年は手書き派がさらに増える

 2013年のスケジュール管理を手書きとデジタル(PCやスマートフォンで入力)どちらで行うか聞いたところ、2013年は昨年比で手書き派が5.9%増加。性別、年代別でも、全ての年代で手書き派が過半数を超えることが分かった。中でも女性が78.1%と、男性の57.9%に比べて手書き派の割合が高くなっている。

スケジュール管理における手書き派とデジタル派の割合

デジタル派をやめた理由は「面倒だったから」

 2012年にデジタル派から手書き派に移行したユーザーに理由を聞くと、上位に挙がったのは、「操作が面倒(41.1%)」「絵や図が自由に書けない(27.8%)」など。

デジタルツールでのスケジュール管理をやめた理由

 この結果を受けてJAMAでは、「手帳の使い方はユーザーごとに独自のこだわりや工夫がある。よってそれらを同様にデジタルツールで実行しようとすると感覚的になじまず、ストレスを感じるユーザーも少なくないことが伺える。デジタルに移行してみることで、むしろ手書きツールの使い勝手の良さに気付かされたのでは」と推察している。

手書き派の人は9割が来年も手書き

 2012年に手書き派だった人の95.3%が「来年も手書きでの管理を続行する」と回答。対して、デジタル派は21.6%が「手書きに移行する」としていた。

手書き派とデジタル派のそれおぞれの2013年のスケジュール管理方法

30代男性の手帳の好みは大型化の傾向に

 購入したい手帳のサイズは、全体ではA6の文庫本サイズが30.9%で昨年同様トップに。世代別に見てみると、60代が他の世代とは傾向が異なり「縦長サイズ(47.8%)」「小型サイズ(25.4%)」など、持ち運びに便利なポケットサイズに人気が集中した。一方B6サイズは、20代の27.6%、30代の26.9%が支持するなど、他世代に比べて高い傾向にあった。

 性別、世代別にサイズの好みに関する経年変化を見てみると、30代の男性の手帳は大型化の傾向が顕著になった。2011年にトップだった小型サイズのユーザーが39.5%から12.9%に減少。代わりにB6やA5といった大判サイズを好む人が増えている。

使用している手帳のサイズ。全体(左)と30代男性(右)の結果

 JMAMの分析では、この結果の背景にデジタルツールとの併用も関係しているという。「小型サイズでスケジュールを管理をする人には、スマートフォンやPCも併用している人が多く。それが2013年は手書きの良さを活かして、大判サイズの手帳で業務記録やふり返りにも活用するのでは」としている。

スケジュール管理以外での手帳用途は「ToDo」や「家族の予定チェック」など

 スケジュール管理以外の手帳の用途については、男女ともに「ToDoリストの管理」がトップだった。一方、2011年に発生した東日本大震災を受けて、電話やWebなど通信手段が使用できない状況を想定した「災害時に向けた対策」で手帳を活用する人は、わずか2.6%という結果になった。

スケジュール管理以外に使う手帳の用途

 そのほかJMAMでは、手帳ユーザーの90%以上が手帳の活用法について悩んでいることや、手帳を持つ目的なども聞いている。手帳を持つ目的が20代男性は「資格取得」など自己実現のツールとしてとらえる一方、60代男性は「物忘れを防ぐ」など自身を守るツールとして手帳を活用していた。

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