さまざまな性格の先輩や上司がいる以上、みんなに好かれることは難しいですよね。相手のことを考えるのは基本姿勢として大切ですが、自分の性格までもカメレオンのように変える必要はないのです。
友人5000人芸人で話題のカラテカ・入江慎也が人付き合いの秘けつをすべてさらす!
人間関係でうまくいかないことって多くないですか? 会社の上司や部下、学校やサークルでの先輩後輩、ご近所付き合いなど、私たちの周りはさまざまな人間関係で成り立っています。
つまり、人づきあいがうまくいけば、仕事もプライベートも、すべてがうまくいくのです。僕のもとにはよく、友達作りや人づきあいについての相談がもちかけられます。「どうしたら友達をたくさん作ることができるんですか?」「人づきあいがスムーズにできる方法があったら教えてください」人づきあいで悩んでいる人は多いと思います。
「友達5000人芸人」といわれるぼくですが、実はぼくも最初は、人付き合いで悩んでいました。でも、「後輩力」に気が付き、「後輩力」を磨くことを心掛けてからは、一気に状況が変わりました。
この本では、僕がなぜ友達5000人になれたのか、いろいろな分野の友達や知人を増やすことができたのか、その秘けつである「後輩力」を紹介します。
僕が思っている「理想の後輩像」が、どの先輩にとっても「理想の後輩像」というわけではありません。
何かをしたときに1人の先輩が喜んでくれたからといって、ほかの先輩も同じように喜んでくれるとは思わない方がいいと思います。相手ありきの発想とは、そういうことです。
先輩は、一人ひとり性格やルールが本当に違うんです。吉本興業は特にそれが顕著なので、後輩たちによく「すべての先輩の性格が分かる教科書が欲しい」と言われるくらいです。
例えば、ロンブーの亮さん。酒の席で後輩に自分のお酒を作ってもらうのが嫌いです。そんなことくらい自分でできるからいいよ、というタイプ。だからといってルールがまったくないわけではなく、ずるい人間が大嫌いだったり、ウソをついてごまかそうとするとズバッと見抜いたり……亮さんなりのルールを持っています。
飲み会の場で後輩がたばこを黙って吸いはじめると、「なんで勝手に吸ってんだ!」と注意する人もいれば、「たばこを吸ってもいいですか」って断ると、「いちいちそんなこと聞かなくていい!」と言う人もいます。
乗りたいときにすぐタクシーをつかまえないと不機嫌になる先輩、タクシーを呼んだら「まだ大丈夫だよ」と言う先輩、などなど十人十色、千差万別なんです。
先輩それぞれとの付き合い方がマニュアル化されているわけじゃないので、「相手ありき」で考えても、迷うことも頻繁にあります。
「この先輩は、どっちなんだろう? どんなタイプなんだろう?」と戦々恐々です。そこでぼくなりに考えて、どんなタイプの先輩に対しても、ブレない姿勢を貫こうと決めました。「言わないで怒られるよりも、言って怒られる方がいい。やらないで怒られるよりも、やって怒られる方がいい」と割り切ることにしたのです。
たばこを吸うときは必ず、「たばこ失礼します」と一言断りますし、必要と判断すればタクシーも呼ぶし、進んでお酒も作ります。
先輩や上司によっては、そんな後輩や部下をうざいと思ったり、点数稼ぎじゃないかと受け止めたりするかもしれません。しかし、それを地道にコツコツ続けていれば、いつか「あいつはマメなヤツだな」というふうに見方が変わってくると信じています。
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