日本のオフィスで「なぜか捨てられないアイテム」トップ33分LifeHacking

必要な分しか買っていないはずなのに、なぜかどんどん溜まっていく。そんなものがあなたのオフィスにありませんか?

» 2012年09月04日 17時05分 公開
[波多野謙介,Business Media 誠]
誠ブログ

 必要な分しか買っていないはずなのに、なぜかどんどん溜まっていくもの――。私たちの周りにはそんなものが密かに存在しています。例えばCD-RやDVD-Rを入れるプラスチックのケース。なかなか壊れない割には、ちょっと傷がついたりするとお客さん向けには使えなくなるので社内で使うことにしますが、そんなにたくさん使うわけでもなく逆にお客さんや取引先からもらった分がどんどん増えていく。

 放っておくとキャビネットの中で積み上がったケースがちょこちょこ崩れるようになって忙しい時にはちょっとしたイライラ感を醸し出します。ですが、積み直すのも大した手間ではないので、すぐに溜まっていることそのものを忘れてしまいます。

 このようなアイテムは、日本人の誇るべき「もったいない文化」や「もったいない意識」が悪い方向に具現化した「“逆”もったいないお化け」とでも言えるようなもの。であるからこそ、こうしたアイテムが密かに存在し、だんだん増えていくのが日本のオフィスというものなのです。ここでは代表的なアイテムを紹介し、その対処方法について考えてみたいと思います。

ホワイトボードマーカー

 オフィスの捨てられないものを論じるのにホワイトボードマーカーは外せません。ホワイトボードに字を書こうとしてカスカスの字しか書けず、別のマーカーに持ち替えてもまたカスカス。もう1つのマーカーに至っては全く書けず、結局赤のマーカーで書く事になったという経験は誰でもあるでしょう。

 ホワイトボードマーカーはカスカスになってもまだ使えるのがくせもので、書けるのが文字と言うより油汚れ(?)みたいな状態になっても、とりあえず読む事はできますから捨てるタイミングが難しい。とりあえず捨てずにおいてほかのマーカーを追加して使うなどという運用が行われやすいものです。

 また、一応備品なので部下が勝手に捨てるのも気が引けて、下手に捨てると課長からちょっとした小言などを言われてしまいそうなので、とりあえず古いものは捨てずに新しいマーカーをもらってきます。たまたま全てのマーカーがカスカスである事に気付いた部長に「書けないマーカーは捨てなさいよ」なんて言われて初めて、若者はマーカーを捨てる自由を得るのです。

処方せん

 対策は「同じ色のマーカーは1本しか出さない」です。絶対1本しか出さないというルールだったら、1本目がカスカスになった段階で交換になると思うんですよ。うちは2人でホワイトボードセッションをする事が多いんだ、という場合には、マーカーにきちんとAとかBとか名前をつけてラベルを貼り、AがヘタってきたらAを変えて……という運用を徹底すれば、複数マーカー同時運用もできそうです。



各種IT機器の空き箱

 IT企業に限らず今や数多くの企業がPCやらサーバーやら、ルーターなどの通信機器、モニターなどのIT機器が必要なので、DELLからAmazonから、どんどんダンボールが送られてきます。喜んで中身を取り出したはいいものの、困るのが箱の取り扱い。これは僕が昔の人だからなのかもしれませんが、新人のころ「IT機器は正規の箱に入っていないと修理が受けられない」と先輩などから教えられた記憶があり、箱を捨てるのにはなかなか勇気が要ります。

 しかしサーバーの箱なんかは折りたたんだとしても中に入っている巨大な梱包材が残り、これが恐ろしいほど場所を取るので狭いオフィスに残しておくのは事実上不可能。大きな箱だけでなく、小さな箱も結構邪魔になります。うちのオフィスには外付けHDDの小さな箱とかCDドライブの箱が律儀にキャビネットの中なんかにしまってありますが、キャビネット中をあさる時、それらの箱をいちいち避けなければいけないのが面倒くさい!

 ぺしゃんこにして隅っこに寄せてしまいたいと日ごろから思っていますが、みんな使い終わると丁寧に箱に入れて片付けるのでこの箱は必須みたいです。まあこれは性格によるものかも知れませんが、とにかくIT機器の空き箱を捨てるのが怖いです。

処方せん

 若手の社員に捨ててもらいます。若手の社員は「箱を捨ててはいけない!」と脅迫された記憶がないようです。僕のように箱を捨てるのがトラウマになっている事はありません。「捨てといてー」とお願いするとすぐに箱はペシャンコに折りたたまれゴミ置き場に運ばれていきます。ただし箱に付いてる保証書は忘れずに残しておきましょう。



ペットボトルのオマケ

 オフィスのどこかしらにはコンビニでペプシを買うとついてくるスターウォーズのオマケストラップとか「原色海の生物」とか、「日本の妖怪100選」みたいな小さなフィギュア類が必ず存在しているものです。これらはたとえ集めているわけではなかったとしても、なまじ人間とか動物の姿をしているため、なかなかゴミ箱に捨てるのもせつなく、とりあえず捨てずに引き出しの中に放りこんでおく事が多いです。僕も改めて引き出しの中を探ってみたところ、スターウォーズシリーズのヨーダとチューバッカと白い兵士、それからジオングが出てきました。

 放りこんでおくだけならまだ無害なのですが、自分の引き出しの中を綺麗に保っておきたい人もいるらしく、知らない間にオフィスの目立たないところにこっそり配置されていたりするから困りものです。ほら!

 なんだこれ……。まあこの葉っぱの色に完全に溶け込む場所の選択にはなかなかのセンスを感じますが、ここで見る生茶パンダのようにオフィスの目立たないところにはあなたの知らないオマケ類が潜んでいる可能性があるのです。

処方せん

 まずはオフィスに折り畳み自転車を置き、コーラ飲み放題のサーバーと卓球台を配置します。服装と髪型は自由、タンクトップも破れたジーンズももちろんOKとし、部屋の目立つ壁にサーフボードなんかが掛けてあると完璧です。もう小さな生茶パンダやヨーダがオフィスのどこに置いてあっても気になりません。よく考えるとオマケ類はカスカスのホワイトボードマーカーやダンボールほど邪魔ではありませんから、オマケ類がもっと堂々と振舞うことのできる環境を作ってあげることが必要なのでしょう。オマケから始まるオフィス改革です。


 以上、捨てたいのに捨てられないオフィスのアイテムを見てきました。これらのアイテムが日本のオフィス文化を象徴する独自のものなのか、海外にも使わないカスカスのホワイトボードマーカーが存在しているのかは本当は知らないのですが、海外の捨てられないアイテム事情をご存じの読者や、他にも何か捨てられないアイテムが気になる読者は、編集部まで情報をお寄せください。

※この記事は、誠ブログ「本当は面白い、BtoBソフトウェアベンダー生活記:オフィスの『何故だか捨てられないアイテム』TOP3」より転載、編集しています。

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