Google、Amazon、PayPal……成功の裏に「プランB」いつでも最高の結果を出せる人の10の習慣

人生において成功している人、仕事や勉強において常に最高の結果を出せている人は常日ごろ、どのような考えを持っているのでしょうか。全10回に渡り、筆者の周りにいる成功者の事例から、役に立ちそうなものを紹介します。今回は、失敗に関する話です。

» 2012年08月07日 11時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

 世界的に有名な企業も、最初からそのビジネスがうまくいったわけではありません。むしろ、何度も失敗するたびに考えた「プランB」が花咲いたわけです。

有名企業もプランB以降で軌道に乗った

 かのグーグルは、スタンフォード大学の仲間で素晴らしい検索エンジンを作りました。しかし当初は、ビジネスモデルらしいものが存在していませんでした。そこで、自社の検索エンジンを一般企業に使ってもらおうとしましたがうまくいかず(プランAの失敗)、結果的に検索結果の横に表示される広告で一大ビジネスを築きました(プランBの成功)。今ではグーグルの巨額の売り上げのほとんどが、この検索連動型広告です。

 オンライン決済サービスを提供するペイパル(PayPal)、アパレル通販サイトのザッポス(Zappos)、そしてオンライン通販サイトのアマゾン(Amazon.com)……多くの有名企業は最初のプランがうまくいかず、次々とプランを変え、最終的に大成功しています。

 つまり当初の計画がうまくいかなくても、代案が大成功した例は非常に多いということ。日本人はすぐ「失敗は許されない! 社運を賭ける」と意気込みがちですが、成功した後に振り返ると、代案のつもりだったプランBが本命だったりするのです。

失敗の数は成功の確率を飛躍的に高める

 失敗の原因を知ることで、成功の確率を高められます。例えば、新しくベンチャービジネスがうまくいくのは5%程度だといわれています。単純計算では20回やれば1回うまくいくという計算ですが、実はそうではありません。失敗1回の後では、そのノウハウがあるので、2回目は失敗の可能性が少なくなります。3回目の挑戦では2回の失敗体験があるので、さらに成功の確率は高まります。

 失敗は続ければ続けるほど、成功の確率が高まっていく素晴らしい体験。だから、これに悲観したり、ネガティブにとらえては決していけません。プランBでもCでもDでも、やればよいのです。

失敗が少ない人生は脆弱

 むしろ怖いのは、失敗が少ない人生。中途半端に最初うまくいくと、なぜうまくいったのか、その根本的な部分がしっかり理解できないまま前に進みがちです。その一方で、失敗している人はノウハウを着々と溜め込んでいるのです。

 私の周りでも、全てがストレートにうまくいった人生を歩んでいる人がちょっとした挫折で自暴自棄になったりするのを何度も見ました。新入社員のころ、初受注が速い営業員ほど、後でスランプになります。デビューしてすぐに売れた芸能人は、その後人気が衰えるとなかなかはい上がれません。逆に失敗から学び、はい上がってきた人は強いです。ちょっとしたスランプくらいで挫折することはないでしょう。

 「大器晩成(たいきばんせい)」という言葉がありますが、これは失敗の積み重ねたノウハウが後からとてつもない強い力となって成功に結び付くからなのだと思います。なかなかうまくいかないと考えてクヨクヨせずとも、そうしたノウハウは晩年、大成功となって帰ってくるでしょう。

 ポイントは失敗しないことではなく、何回まで失敗が許容できるか? です。予算や期限もありますから、失敗許容量は無限ではありません。その辺りは、しっかり見極めが必要です。

 しかし確実なのは、やればやるほど、当選確率が高まっていくということ。ですから、失敗自体を避けているとノウハウが貯まらない。失敗は避けるのではなく、学ぶもの。失敗を積極的に、「失敗したらうれしい、なぜなら成功確率がまた上がったから」と思うくらいのポジティブさで望めば、本当に成功するものです。

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)、『ノート・手帳・メモが変わる「絵文字」の技術』(中経出版)、『人生の大問題を図解する!』(光文社)がある。

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