時間は平等? 不平等? 時間の使い方が人生を変えていくRe:Work !(1/2 ページ)

私の知る限り、仕事を楽しんでいる人の多くは、時間の使い方を工夫している。「一生に使える時間」を意識しているかどうかは、時間の使い方や仕事の進め方に大きな違いを生むのだ。

» 2012年07月19日 16時00分 公開
[三河賢文Business Media 誠]

連載「Re:Work」とは

 今、働き方を見直す動きが増えています。新しい考え方やサービス、プロダクト。こうしたものを活用して働き方を変える人がいる一方で、現実にはそう簡単にいかず苦悩をガマンしている人も多いはず。「練り直す」「再生する」「再加工する」という意味の「rework」が、この連載の由来です。すべてを変えることは難しいかもしれませんが、まずは少しだけでも「Re:Work」してみませんか?


 私は社会人になったころから「時間」というものを強く意識している。そのキッカケをくれたのは、就職活動中に読んだ『未来を拓く君たちへ』(田坂広志著)という1冊の本だった。そこに書かれていた中で私が受け止めたのは「時間は有限なのだから、1分1秒を無駄にするな」ということ。このことは私にとって、日々を過ごす上で大きな軸となっている。

誰でも1日は24時間。だけど、人生は……?

 1日は24時間。1年は365日だから、時間に直せば8760時間になる。この事実は、誰でも同じだ。だからだろうか、人は毎日をなんとなく過ごしていると、この24時間が毎日いつまでも続くかのように錯覚してしまう。

 ここで「一生に使える時間」を考えてみよう。誤解を恐れずに言えば、誰の人生がいつ終わるかなんて誰にも知らない。つまり自分が一生に何時間の時間を使うことができるのかは、自分自身ですら分からないのである。この現実を意識しているかどうかは、時間の使い方に大きな違いを生む。

 そう考えると、時間への価値観が少し変わってくるのではないだろうか。私の知る限り、仕事を楽しんでいる人の多くは、時間の使い方を工夫している。「限りある時間」だからこそ、無駄にしたくないと考えているのだろう。だから「いつかやろう」「後でやればいい」 なんて言葉は出てこないし、決断・行動がとにかく早いのである。

 私はいつも寝る前に、自分にこう問いかけている。「今日という1日は、充実していたか?」「明日の朝目が覚めなかったとしても、後悔はないか?」。毎日、この問いに対して「Yes」と答えられる自分でありたいと思っているからだ。

「空白」「無駄」「非効率」な時間を浮き彫りにする

 こんなことを言っている人はいないだろうか。

  • 「時間が足りないから、残業になってしまう」
  • 「仕事量が多すぎる」
  • 「趣味を持ちたいけど、割ける時間がない」

 これらは、いずれも時間に関する不満である。つまり残業や多忙さ、趣味を持てないといったことを、時間のせいにしているのだ。しかしほとんどの場合、これは単なる言い訳に過ぎない。なぜなら実際は、多くの「余り時間」があるからだ。そのことを調べるのに、1つ方法をご紹介しよう。

 メール作成や電話1本、あるいは移動や睡眠に至るまで、あらゆる行動には「時間」を費やしている。そこで、何にどれだけ時間を使ったのかという「使用時間」を、細かに記録してみてほしい。

 何もキレイなフォーマットを作る必要はなく、行動を終えたら「メール 2分」などと分かるように書き留めておくだけで良い。ここで大切なのは「使用時間を正直に記録する」ということ。そして1日を終えたら、全ての使用時間の合計値を出してみるのだ。

  • 1440分(24時間)−使用時間=???

 使用時間の合計値を、上の計算式に当てはめてみてもらいたい。恐らく多くの人が、3つのことに気づくだろう。

  1. 「謎の空白時間」がある(=何もしていない時間)
  2. 無駄に過ごしている時間(=隙間時間)
  3. 必要以上に時間を使っている(非効率な)行動がある

 この3つを合わせて「余り時間」と呼ぼう。つまり実際には、24時間の中で「余っている(もしくは余るハズの)時間」である。この現実に気づくことが、時間を無駄にしないための第一歩になるだろう。

 隙間時間の活用については、前回説明した。「できる仕事」をパズルのように当てはめていくだけで、まとまった時間が手に入る。空白時間があれば、それを生み出さないために日々意識して行動すれば良い。また非効率な行動があるのなら、改善策を考え、実行するだけだ。

 そのためには、まず自分の中で時間意識を持つことが大切だ。1つ1つの作業時間を割り出すことは手間かもしれないが、その後に生み出される時間を考えれば取り組む価値はあるだろう。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ