ネットの口コミと政府の情報、どちらを信頼する?Biz.ID Weekly Top10

5月28日に行われたマイケル・サンデル教授の特別講義に参加してきました。講義中いくつか「賛成」「反対」の2択で答える質問があったのですが、1つだけ答えが出ないものがあったのです。

» 2012年06月08日 18時40分 公開
[上口翔子,Business Media 誠]

 先週のアクセスランキング1位は、「手帳とスマートフォン、使い分けのポイントは?」。2位は「PC周りに置いておきたいスマート文具って何だろう?」、3位は「メールで連絡が取れない人たちとおつきあいするための便利なツール」でした。全体的にスマートフォン関連の記事が上位にランクインしました。


マイケル・サンデル教授

 先日、ベストセラー『これからの「正義」の話をしよう』の筆者で知られるマイケル・サンデル教授(米ハーバード大学)の特別講義を受ける機会がありました。5月28日に東京国際フォーラムで行われたものです。

 リポート記事も順次公開していますので、よろしければご覧ください。


『それをお金で買いますか――市場主義の限界』(早川書房)

 今回は近著『それをお金で買いますか――市場主義の限界』を5月18日に発売したタイミングということで、講義の内容も同書のテーマに沿ったもの。さらに後半では、東日本大震災を受けての日本はどう変わったか、などについても触れました。

 サンデル教授の講義スタイルは、ボートやスライドを利用せず、受講者に直接問いかける対話形式。今回も「もしあなたが大学生で、『あなた自身の命名権をくれるのなら授業料を出す』と企業に言われたらどうしますか?」「医師の診察券を転売するダフ屋行為はゆるせますか?」のような質問で、受講者に「YES」「NO」の意思表示をさせました。

受講者はサンデル氏の問いかけに対し賛成であれば白、反対であれば赤、というように手持ちのパンフレットを掲げて自分の意思を示しました

 私も講義中、文字起こしをしながら質問に答えていたのですが、どうしても1つだけ、どちらとも回答できないものがありました。それが「3.11のような震災がまた起こった場合、政府が発信する情報とTwitterや個人ブログの情報、どちらを信頼しますか?」というもの。会場もこの質問のときには少しざわざわした様子でした。

 この質問に関しては「どちらか一方を信じる」「両方信じる」「両方とも信じない」の回答から選択できると思うのですが、今回の場合はどちらか一方を必ず選ばなければいけません。私は「ネットの口コミはデマも多いし、冷静に判断できるか分からない。でも政府の情報も完全に信じていいものか……。もしかしたら両方信じないかもしれない」と、考えているうちに回答時間は終了。サンデル教授が「何人か答えていない人がいましたね〜」と言っていて「すいません」という気分でした。

 講義では今紹介した以外にも考えさせられる議論がたくさん出てきます。リポート記事は来週も随時公開していきますので、ご期待ください。

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