「Firefox 13」の正式版リリース カスタマイズ可能な「新しいタブ」やSPDY対応で高速化

これまで空白ページだった「新しいタブ」に、Google Chromeと同様よく開くWebページのサムネイルが並ぶようになった。

» 2012年06月06日 07時20分 公開
[鈴木聖子, 佐藤由紀子,ITmedia]

 Mozilla Foundationは6月5日(現地時間)、Webブラウザの最新版となる「Firefox 13」をWindows、Mac、Linux向けにリリースした。ユーザーは[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くことでアップデートできる。

 これまで非常にシンプルだったスタートページおよび新しいタブページに、Google Chromeと同じような機能が追加されるなど、目に見える変更が加えられた。

スタートページにショートカットが追加

 スタートページ([ツール]→[オプション]→[起動]でホームページを設定していない場合に表示される)の下部に、ブックマーク、アドオン、以前のセッションなどのショートカットが追加された。

 firefox 1 赤い囲み部分が今回追加されたショートカット

 スタートページは、ツールバーのホームボタン、[Alt]+[Home]キー、ロケーションバーに「about:home」と入力することで表示できる。

カスタマイズできる「新しいタブ」ページ

 従来の「新しいタブ」は空白ページだったが、バージョン13では、ユーザーが最もよく訪れるサイト(トップサイト)のサムネイルが9つ並ぶようになった。これらのサムネイルはユーザーのブラウジング履歴に基づいて表示されるが、ユーザーはサムネイルのドラッグ&ドロップで並びを変えたり、位置を固定したり、削除したりすることができる。

 firefox 2 新しいタブページ

 ページ右上のグレーのアイコンをクリックすると、従来の空白ページに戻せる。

 また、新しいタブを開いた時、カーソルはロケーションバーにあるので、すぐに検索することもできる。

高速化

 以下のような新機能や修正により、起動や操作の高速化が図られた。

  • Googleが提唱する高速化プロトコル「SPDY」を初期設定で有効にすることで、対応Webサイトでのブラウジングを高速化した
  • Firefoxの再起動時に、最後に開いていたタブだけを先に読み込むようにすることで、再起動を速くした
  • JavaScriptガベージコレクションを通じた全般的なパフォーマンスの向上

セキュリティ関連の修正

 Mozillaのセキュリティ情報によると、Firefox 13では計7項目の脆弱性に対処した。このうち「Address Sanitizerを使って発見されたバッファオーバーフローと解放後使用の問題」など4項目が、Mozillaの4段階評価で重要度「最高」の深刻な脆弱性となっている。各項目とも複数の脆弱性を修正。問題を悪用された場合、任意のコードを実行されたり、特権を昇格されたりする恐れがあるという。

 残る3件の区分けは重要度「高」が2項目、「中」が1項目。情報の流出を招いたり、セキュリティポリシーを回避されたりする恐れが指摘されている。

 なお、旧バージョンのFirefox 3.6については前回の4月23日でサポートが打ち切られ、たとえ深刻な脆弱性があったとしても更新版は公開されない。Mozillaでは「速やかに最新版へアップグレードを」と呼び掛けている。

Android版Firefoxは大きな修正なし

 Android版ユーザーには数日中にアップデートの通知が届くが、セキュリティ問題の修正と安定性の向上のみを行ったマイナーバージョンになる。

 開発者向けの修正点については、リリースノートを参照されたい。

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