万年筆のような電子ペンが欲しい!スマート文具サミット(1/4 ページ)

文具やガジェット好き6人による座談会の第3回。手書き文字をデジタル化するツールの1つである電子ペンを彼らはどう見ているのでしょう?

» 2012年05月11日 19時35分 公開
[上口翔子,Business Media 誠]

 文房具やガジェット好きの6人で開催したスマート文具座談会。これまではノートやメモ帳の話題が中心でしたが、今回は少しテーマを変えて電子ペンの話題に移ります。

 スマート文具
座談会に参加した皆さん(左から舘神龍彦さん、竹村譲さん、美崎栄一郎さん、清水敬輔さん、土橋正さん、高畑正幸さん)

 前回「スマホ前提時代、スマート文具の役割はどうなる?」の後半では、製品の進化と使い心地に関する話題になりました。今回はそこから電子ペンの話題に――。

電子ペンって約15年前からあるって知っていました?

電子ペンとは?

電子ペンの一例。写真はairpenPocket

 電子ペンは、専用ペンを利用して書いた筆跡を認識し、その情報をPCやタブレット、スマートフォンに送信してデジタル化する製品です。価格は1〜2万円前後で、個人や法人向けに提供しています。

 筆跡を読み取る仕組みはいくつかあり、1つは超音波や赤外線でペンの軌跡を読み取るタイプ。ゼブラの「TegakiLink Personal」や、ぺんてるの「airpenPocket」、ワコムの「Inkling」などがそれに当たります。他にも、ドットパターンを印刷した専用紙を用いるタイプとして、アノト・マクセルの「アノトペン」や、富士ゼロックスの「Denshi-Pen」があります。前者は主に個人用途向け、後者は業務用途向けを想定しています。


竹村さん 電子ペン自体は、世の中に出てから15年くらい経っていますよね。私の印象だと、どちらかというと現状は決まった入力欄が印刷された専用の用紙に記入するなど、建築や製造現場などで使う業務用途で使われているイメージです。海外だとアノトペンが業務用で有名ですね。

美崎さん 実際、電子ペンは法人向けの印象があります。個人の認知度はまだまだ低いんじゃないんでしょうか。もうちょっと使う人が増えると、新たな活用法なども生まれてくるかもしれませんね。

清水さん

清水さん 僕がお手伝いしている文房具朝食会でも(電子ペンを使っている人は)あまり見ませんね。

舘神さん 普及はこれからなのかも。以前記事でも書きましたが、PCやスマートフォンなどがこれだけ普及した現在でも、手書きにこだわる人は多いはずです。起動時間もなくすぐに記録できる“道具としての瞬発力”がありますからね。ふつうのペンとメモ帳は、充電が切れたりアプリ起動にタイムラグが発生したりするなどデジタルツール特有の弱点もありません。

竹村さん 最近はぺんてるのairpenやゼブラのTegakiLink Personalがスマートフォンと連係するようになったりと進化しています。だいぶ個人用途にも選択肢が増えてきました。

舘神さん そうですね、そう言った電子ペンが持つ、というか手書きが本来持っている瞬発力を生かしたまま、送信(メールなど)や共有(TwitterやEvernote、Dropboxなど)の機能に直結できるのが電子ペンの可能性だと思います。

2012年に入りiOS対応の電子ペンがリリース

ゼブラ「TegakiLink Personal」

最大A3サイズまでの用紙に専用ペンで書いた文字や図版を画像データとしてiOS端末に転送できる電子ペン。オープンプライスで、実勢価格は2万790円(参照記事:手書き文字をiPhoneに転送、自動でテキスト化も――ゼブラのデジタルボールペン登場)。

ぺんてる「airpenPocket++」

電子ペン「airpenPocket」がiOS端末対応版。A4サイズまでの普通紙やメモ帳に書いた筆跡を、Bluetooth経由でスマートフォンやタブレット、PCに送信できる。オープンプライスで実勢価格は1万7000円前後(参照記事:ぺんてるのairpenがiOSに対応、筆跡をiPhoneに転送できるように)。




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