デジタルコンテンツの制作現場が変わる――Adobe Creative Cloudとは?蜷川実花×きゃりーぱみゅぱみゅ(1/2 ページ)

PhotoshopやIllustlator、Acrobatといったアドビの最新ソフトを、月額5000円で利用できるクラウドサービスが登場した。電子書籍やアプリの開発も見据えており、発表会には蜷川実花さんときゃりーぱみゅぱみゅさんが登場した。

» 2012年04月24日 18時30分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 アドビシステムズは4月24日、「Adobe Creative Suite 6」(以下、CS6)と「Adobe Creative Cloud」(以下、Creative Cloud)の発表会を行った。

 CS6は、「Acrobat X Pro」「Photoshop CS6」「Illustrator CS6」「Dreamweaver CS6」など同社の14製品のソフトをまとめた統合デザインスイートだ(詳細は別記事を参照)。Creative Cloudは、このCS6のすべての機能と、HTML5開発ツールの「Adobe Muse」などを利用できるクラウドサービス。個人版は月額5000円(年間契約)、CS3.x/CS4/CS5/CS5.5の個人ユーザーなら月額3000円で利用できる。

HTML5開発ツール「Muse」(クリックすると拡大)

 CS6は2012年5月11日に発売予定。Creative Cloudは、アドビストアでは2012年5月11日に、全国の家電量販店では2012年6月に発売予定だ。

マルチデバイスへの対応、そして「コミュニケーション」

アドビシステムズの製品群

 発表会で、アドビシステムズ社長のクレイグ・ティーゲル氏や、米Adobeのデジタルメディア事業部門 Creative Pro担当バイスプレジデントのマーラ・シャーマ氏がくり返し強調していたのは、ここ数年で起きた急激な変化2つだった。具体的には「スマートフォン、タブレットなどの急速な普及」と「SNSユーザーが増えたことによる(デジタルでの)コミュニケーションの増加」だ。今回のCS6+Creative Cloudの新機能は、これらの変化に対応する形で、マルチデバイス対応やコミュニケーション機能を強化している。

 スマートフォンやタブレットの普及を受け、今回Creative Cloudにはタブレット端末で利用できる「Photoshop Touch」が組み込めるようになっている。デモでは、デザイナーがタブレットで簡単なデザインラフを描き(iPad+Photoshop Touch)、それについての意見をクライアントに求め(Creative Cloud)、OKが出たところでPCに向かってPhotoshopで細かい作業を行う――という使い方がアピールされていた。

 タブレットでもPCでもデバイスを問わず、統一感のあるUIで作業ができ、データはCreative Cloudでユーザーが意識しなくても自動的に同期されている(マルチデバイス対応)。作業途中のデータも簡単に他者とシェアできる(コミュニケーション機能)といった具合だ。「Creative Cloudのメンバーは、CS6で開発したモバイルアプリを、iTunes StoreやGoogle Playに簡単に配信できる」(ティーゲル氏)、「デジタルコンテンツ……例えば電子書籍を作る時、スマートフォンで見ても、タブレットで見ても、美しく違和感のない画面を簡単に作れる」(シャーマ氏)

iPadで「Photoshop Touch」を起動。指でも操作しやすいUIが特徴だ。ここでは切り抜く部分を赤で、残す部分を緑でなぞっている
Photoshop Touchで作業したデータは、Creative Cloudでシームレスに同期されている
PC版Photoshop CS6からデータを読み出す
Creative Cloud+Photoshop CS6では、他者とデータ共有が可能。データにコメントをつけたり、ダウンロードしたりできるかどうかを設定できる
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