このように優先度を自動的に判断し「重要な未読メール」に分類するメールには、「ミーティングの約束を取り付ける」「作成中の資料にフィードバックを反映する」といった具体的なアクションへつなげるものが多く含まれるはずだ。
GmailにはToDoリストが備わっており、メールを即そこに加えることが可能。そしてこのリストはGoogleカレンダーとも連携している。スケジュールと同時に期日を迎えるToDo(タスク)をカレンダー上で確認できるというわけだ。
メールスレッドを表示した状態で[その他]から[ToDoリスト]に追加を選ぶと以下のような画面となる。
メールの件名がToDoリストにも引き継がれ[>]をクリックすると期日を設定したり、ノートを加えることができる。このToDoリスト、見た目はシンプルだがこちらの画面ではドラッグ&ドロップで順番を並び替えたり、タスクに親子関係を設定できるなど、さまざまな操作ができる。本連載の第5回で紹介する予定だが、スマートフォン向けのアプリもサードパーティから登場しており、オフィスだけでなく外出先からもToDoのチェックと管理が可能だ。ぜひ活用しよう。
優先トレイやToDoリストは、メールを起点として積極的に行動を起こす、いわば攻めの機能ともいえるだろう。一方で、メールの中には「今すぐ何か対応が必要な訳ではないが、保管しておきたい」ものもある。しかし、そんなメールが他のメールの中に混ざっている状態は、やはり生産性の妨げになってしまう。
そんなとき使いたいのが、「アーカイブ」機能だ。使い方はとても簡単。メールリストの上にあるツールバーの[アーカイブ](下画像を参照)をクリックするだけだ。
メールスレッドをアーカイブすると、そのメールは受信トレイには表示されなくなるが、これは削除されたわけではない。検索すれば再び見つけられるし、メールに返信があると、再び受信トレイに振り分けられる。机の上からいったんファイルキャビネットに入れておいた書類が、必要な時に有能な秘書がまた机の上に戻してくれる――そんな感覚でメールを「しまっておく」機能なのだ。
いかがだろうか? メールを単なる連絡手段に留めていてはもったいない。本書『できるポケット+ Gmail 改訂版』も参照して頂き、Gmailをフル活用することで、情報に対する攻めと守りを固めるきっかけにしてもらえれば幸いだ。次回は、Gmailとの相性の良いChromeブラウザや操作性を格段に向上するキーボードショートカットについて解説していこう。
ジャーナリスト・プロデューサー。ASCII.jpにて「メディア維新を行く」、ダ・ヴィンチ電子部にて「電子書籍最前線」連載中。著書に『スマートデバイスが生む商機』(インプレスジャパン)『生き残るメディア死ぬメディア』(アスキー新書)など。取材・執筆と並行して東京大学大学院博士課程でコンテンツやメディアの学際研究を進めている。DCM(デジタルコンテンツマネジメント)修士。2011年9月28日にスマートフォンやタブレット、Evernoteなどのクラウドサービスを使った読書法についての書籍『スマート読書入門』も発売。
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