「気が付いたらTwitterしてた」を防ぐ――Mac OSの「Mission Control」機能でタスク管理術あなたの不安、見積もります

気が付いたらTwitterをしていた――なんてことはありませんか。そもそも、思わずTwitterが目に入っちゃうことが悪いんです。Mac OSの「Mission Control」を使ってタスク管理のためだけのデスクトップを作ってみませんか。

» 2012年04月13日 19時00分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 『クラウド時代のタスク管理の技術』(東洋経済新報社)のなかで「タスク管理システム」の図式を描きました。中央にタスク管理ツールを置き、そこからカレンダー、チェックリスト、プロジェクトリストなどを「参照する」というシステムです。

「Mission Control」でレイアウトしてみる

 これはもちろん概念上のシステムでしかなかったのですが、実際にこの通りに配置してみたら仕事がやりやすくなるのではないかと思って試してみました。わたしの環境がMac OSであるので、複数のデスクトップ画面を自由に切り替えられる「Mission Control」機能を使ったのです。

 先ほどの図のように中央のデスクトップには「タスク管理ツール」を置き、左右に「チェックリスト」と「プロジェクトリスト」を並べて、設定完了です。

 中央のデスクトップに置いたタスク管理ツールは、通常タスクリストとして使っている「Taskchute2」。これをMac OS上の仮想環境(Fusion 4)によるWindows上で動作させています。「左のデスクトップ」には「Toodledo」だけを表示しているブラウザ(Google Chrome)を配置。これはチェックリストとして活用しています。

 「右のデスクトップ」はプロジェクトリスト。これは「Omnifocus」を使っています。Mac OS上では左右の画面移動が4本指スワイプ(設定によっては3本指スワイプ)か[Ctrl]+[矢印キー]だけ。抜群に便利で、仕事がはかどります。

 今まではランチャーアプリ「LaunchBar」を使って、アプリケーションを切り替える形で同じようなことをやっていたのですが、今のやり方の方が圧倒的にやりやすいと分かりました。

半ば無意識の“残念なアクション”を防ぐ

 これまで「仕事を進める」という時には、精神力にいわばギアをかける必要がまだまだありました。「あれをやらないと……」「だからチェックリストを見ないと…」などと考えるウチにTwitterを見てしまっていたのです。半ば無意識のうちにやってしまうことは決まってこのような“残念なアクション”です。それが脱線の元になるのです。

 それが今はなんとなくぼんやりしていて仕事から逃れたくても、画面を左右に動かすだけ。特に疲れているとキーから手を離してしまって、4本指スワイプを繰り返します。しかし脱線はしません。そこには「タスクを小分けにした状況」(チェックリスト)や「プロジェクトの現状」(プロジェクトリスト)が現れます。

 疲労がたまり意識が朦朧(もうろう)として、なんとなく眺めている目にふと「小分けにしてある仕事の様子」が目に入ってくると「ああこれならこんな状態でもできなくないなあ……」と考えることができます。その間も指は意味もなくスワイプを繰り返すばかりですが、これがちょっとした気休めになります。そのすきに意識が覚醒するタイミングがわずかでもあれば仕事を進められるという流れができてきました。

 プロジェクトから実際に何かを進めたいと思えば、さらに右へ画面を移します。するとEvernoteが現れそこが「実行作業場」です。こと仕事を進める上ではこの4画面で間に合います。もちろん他のアプリケーションを使いたいと思うこともありますが、そこまで「目が覚めて」いるならばアプリケーションを直接立ち上げればいいのです。

 私自身はもっと意識覚醒レベルの低い状態、いわゆる「頭に霧がかかったような状態」でも仕事が進むような仕組みを整備していきたいと思っていますが、現状この仕組みは「いい線」いっている気がしています。

先月の木曜日:残念ながらPostEverは……

 先月の連載で触れたアプリやサービスを振り返って、筆者がまだ利用しているかどうかを赤裸々に告白するコーナー「先月の木曜日」。今回は「PostEver」でした。残念ながらPostEverはだんだん使わなくなってきています。すばらしいアプリだと思うのですが、どうしてもメモは「1つのアプリ」でとるクセがついてしまうのです。

 簡単に言うと「Path」と競合しています。PathよりもメモアプリとしてPostEverが優れています。しかし私はライフログをPathにあつめているためメモも無意識のうちにこちらにとってしまうのです。その流れでも別に問題はないためあえて仕事のメモだけを別アプリにする理由がないというところです。


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書籍『記録するだけでうまくいく』のご紹介

記録するだけでうまくいく

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 ライフログとは、自分の毎日の仕事や生活、行動を記録すること。スマートフォンの普及とともに、近年急速に広まっています。「なんでも記録するのって大変そうだけど、何の役に立つの?」。そう思う人もいるかもしれません。

 確かに、紙のノートに1円単位で収支を記録したり、ありとあらゆる写真を撮ったり、アルバムに整理したりするとなれば、膨大な時間とお金が必要です。しかし、スマートフォンがある今、写真はその場で撮ればOK。整理といっても「タグ付け」や「クラウドにアップロード」するだけなのです。

 ライフログとは記憶のバックアップ。「体験を再生できる」「記憶力が良くなる」「仕事に役立つ」「習慣を作り、自分の成長につながる」「体験を共有できる」「整理できる」――。今まで仕事や生活に役立つとされてきた断片的な記録をトータルにバックアップしてくれるもの、それがライフログなのです。スマートフォンをお持ちなら、今日からでもライフログを始められますよ。

筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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