【CamiApp×希望点列挙法で考えた】あったらいいな、こんな検索エンジン（前編）：アイデア発想実践記（2/2 ページ）

[シックス・アパート 中山順司，Business Media 誠]

実際にメンバーが書いたメモを公開

　ヒントとなる事前ディスカッションはせず、素の状態で開始します。恒例のストップウオッチのよーいドンで、各自ノートにメモを取り始めます。全員、考え込む様子も見せず、ペンがスラスラと走りだしました。これも、回数を重ねてきた成果でしょうかね。

　1つお断りしておきますと「テーマについては一切予習をしてこない」というルールを全員守っています。というのも、事前に考えてきてしまうと（よいアイデアは生まれるかもしれませんが）ただのズルですし、5分間でいかに多くアイデアを生むかというタイムトライアル的要素の意味がないからです。

　全員がアイデアを出しつくしたかな……と感じるくらいのタイミングでちょうどアラームが鳴り、タイムアップ。出したアイデアをカウントすると、やはり鷹木さんがずばぬけていて、鷹木さん「17」、上口さん「4」、中山「7」の計28個でした。

　今回は「こんなかんじでメモしているのね」というのを紹介するため、全員のメモ（原文ママ）を公開してみます。

番号	メモ内容
1	勝手に検索してくれる
2	あの子の知りたいこと検索
3	知りたくないことを……
4	結果が出ない
5	結果が1つだけ
6	友人の検索結果
7	去年の
8	10年前の
9	ネガティブ＆ポジティブ
10	未来
11	美人＆ブス
12	今日の献立
13	タッチ検索
14	音声
15	キネクト
16	ノート
17	分量

　単語かフレーズばかりで、読んだだけだと中身はなんとなくしか想像できません。「分量」「ノート」「今日の献立」に至っては、字面ではほぼ意味不明です。また特徴として、時間の経過とともに、文字数が減っています。ただし5分で17個も出すには、これくらい割り切ったメモをする必要がありそうです。

番号	サービス内容	解説
1	未来検索	行動履歴から、だぶんアナタはこうなる、こういうものを好きになる（興味を持つはずですよ）というのを表示する
2	今日の出来事検索	地域別、IPアドレス別、年代、性別。世の中の人がどういうニュースに触れたか、何が起きたか知れる
3	実物検索	3次元で出してくれる
4	話しかけたら出してくれる	（声のトーンで感情を読み取って）イライラしている様子なら好物の食べ物の広告を出してリラックスさせるなどの配慮も

　鷹木さんとは対照的で、数は少ない代わりに、丁寧な説明が添えられています。どういう機能なのか説明しているだけでなく、サービス名称まで考えてくれていますので、このメモだけで大体の内容が分かります。

番号	サービス名称（っぽいもの）	解説
1	企業の犯罪をさかのぼって検索できる	あぶない企業を後々知れる
2	ショッピングサイトがSERPに出ない	レビューのみ、個人の発信のみ見たい
3	なし	「このWebサイトはもう2度と見たくない！」と思ったサイトを登録すると、解除しない限り検索結果に表示されない
4	なし	ストリートビューの地下鉄、地下街バージョン、サイクリングロードもアリ
5	なし	役に立つ（立った）と思ったページを点数評価してシェア
6	なし	1〜10位が1枚ずらっと一覧できる
7	子供検索	平仮名、カタカナで検索すると、自動的に高いフィルタリングに切り替わったり、教育的な情報を優先表示

　鷹木さんと上口さんの中間ですね。説明はあるけれど、サービス名称は考えていたり、いなかったり。意味合いも、上口さんほどには第三者に伝わる表現になっていません。さらに、書き間違いはペンでグチャグチャにして消してあって汚く、人様に見せられる見映えではありません。

　と、こんなかんじで、メモを見るだけで、それぞれの発想の仕方と表現方法が垣間見えてきます。見事に三者三様の書き方が違うのも、個性なのかなと。

　さて、肝心のアイデアは一体どんなものなのか？　それぞれの評価は？　どんな広がりを見せるのか？　ベストアイデアに選ばれるのはどれか？　詳しくは後編に続きます。