ユダヤ人に学ぶ、日本人が生き残る方法【図解】人生の大問題(1/2 ページ)

東日本大震災を経験した日本人がこれからの人生を生き残るには、私たち自身が各自で計画し、実行しなければなりません。そのための残り時間は極めて少ないのです。

» 2012年02月09日 11時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

 本連載は『人生の大問題を図解する!』(光文社)の内容からポイントだけをピックアップしています。読者の皆さんのライフプランを見直し、後悔しない人生を送るための手助けになればと願っています。

 人生の重大事の中から、「お金」「語学力」「仕事」「家族」「思考力」という5つのテーマで衝撃的かつ客観的なデータをいくつか紹介します。

 第7回は「日本沈没でも生き残る技術」です。

沈んでいく日本列島を見ながら、ふと思ったこと

 1973年。私が小学校時代に観た映画で、非常に印象に残っているシーンがあります。それは小松左京原作のスペクタクル映画『日本沈没』のラストシーン。草なぎ剛主演でリメイクしたので、映画を知っている人は多いでしょう。しかし、私の脳裏に刻まれているのは、藤岡弘、といしだあゆみが主演した1973年バージョンの方です。

「日本沈没」(1973年)あらすじ

 地球物理学者である田所博士が、小笠原沖の日本海溝を潜水艇で調査したところ、海底を走る奇妙な亀裂と乱泥流を発見。異変を確信した田所はデータを集め、1つの結論に達します。それは「日本列島は最悪の場合、2年以内に地殻変動で陸地のほとんどが海面下に沈降する」というものでした。

 政府は日本国民と資産を海外へ脱出させる「D計画」を発動。だが、異変のスピードは予想を超えて進行。各地で巨大地震や休火山の再活動が立て続けに起こります。精鋭スタッフたちは死に物狂いで、国民を続々と海外避難。しかし、無情にもその日はやってきます。

 四国を皮切りに次々と列島は海中に没し、最後に北関東が水没。そして、ついに日本列島は完全に消滅したのです……。

 そのラストシーンで、田所博士は日本に残り、火山灰にのまれていきます。田所博士の右腕である潜水艇技師小野寺(藤岡弘)は、海外避難し、砂漠を走る列車に乗っています。一方、その恋人、玲子(いしだあゆみ)は、雪の大地を走る列車から日本の方を見つめている……。そんなシーンで終わるのです。


 私は当時、沈んでいく日本大陸の映像をぼうぜんと見つめながらも、ずっと別のことを考えていました。それは、日本が消滅し、北と南の大地に離れ離れになった2人がもう一度会える日は来るのだろう、というようなロマンティックなことではありません。それよりも気になったのは、もっと現実的な課題でした。

 「この2人は新しい国でちゃんとやっていけるのかな……?」

 「言葉は通じるのかな……?」

 「仕事に就けるのかな……?」

 そして、未踏の地で、彼らがたくましく生きていくことを子供心に祈りました。

あれから38年後、「日本沈没」は現実に

 2011年3月11日、マグニチュード9.0という巨大地震が東日本を襲い、テレビを付けるとパニック映画さながらの、津波に街が丸ごと飲み込まれていく様子が映し出されていました。帰宅困難者が大勢出て、数十キロを何時間もかけて歩いて帰りました。

 千葉沖ではコンビナートが炎上し、巨大なタンクに大きな穴が開いていました。多くの地域で電力、ガス、水道などのライフラインが止まり、計画停電や極度の節電が必要となりました。

 福島原発では冷却が困難になり、放射能が漏れました。インターネット上では「チェルノブイリになる」「メルトダウン」など毎日のように気分の悪い未来予測のコメントが多数寄せられ、誰もが空気中や水道水に含まれる放射能をチェックしてから外出するようになりました。日本に滞在中の外国人は慌てて母国に戻り、成田空港はパニック状態になりました。

復興の進まない被災地、放射能の重いつめ跡

 現在、日本は別の意味で「沈没」しつつあります。リーダー不在の政界茶番劇をマスコミが報じる一方で、遅れる震災や原発問題の処理、決定打のない経済政策、国際競争力のさらなる低下、内向きで停滞するムード。たとえ物理的な大陸は残ったにせよ、日本というプラットフォームは長期的には、さまざまな面で沈みかかっています。

このままでは、私たちの将来が明るくないことは、あらゆるデータが指し示しています。

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