青色申告にチャレンジ! 「節税」「経営」――2つのメリットをあきらめない青色申告誌上セミナー

いよいよ確定申告の季節。そこで今回、誠 Biz.IDで「税金」と言えばこの人、奥川浩彦さんを先生に、誠ブロガーの岡田直子さんが確定申告の方法を習う。それでは先生、よろしくお願いします!

» 2012年01月30日 09時40分 公開
[監修:飯塚智治(税理士),PR/Business Media 誠]
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 いよいよ確定申告の季節。税務署の申告書受け付けは2月16日から3月15日までだが、早めに用意しておくほうがいいに決まっている。そこで今回、誠 Biz.IDで「税金」と言えばこの人、特集「大増税時代」を執筆している奥川浩彦さんを先生に、誠ブロガーの岡田直子さんが確定申告の方法を習う。それでは先生、よろしくお願いします!

岡田さん(左)と奥川さん(右)

プロフィール

  • 奥川浩彦(おくがわ・ひろひこ):iPR(アイピーアール)CEO。本業は広報コンサルティング。副業はライター。メルコで広報の仕事を始めたのは1995年。2001年にイーレッツを立ち上げ、10年を超える“新製品を記事にするノウハウ”を生かし2003年より他社製品の広報支援を事業化。2006年末に独立しiPRを設立。執筆は税金関係をはじめ、F1レースなどの撮影、最近では震災の影響で節電の原稿も手掛ける。理想の仕事は「楽でもうかって面白い」。
  • 岡田直子(おかだ・なおこ):広島県広島市出身。神戸女学院大学文学部英文学科卒業。外資系メーカーにて営業として勤務した後、ソフトウェア開発のベンチャー企業に転職。勤務のかたわら立教大学大学院ビジネスデザイン研究科に通いMBA取得。その後、ECナビに入社し、広報機能を立ち上げる。同社にて経営本部長、広報室長を経て2009年3月末に退社。同年7月に独立し、ネットワークコミュニケーションズを設立。日本と下町をこよなく愛する浅草在住のアラサー女子。

そもそもなんで確定申告をするの?

 岡田さんは実は独立して数年の自営業。いつもは税理士に任せているが、税金の正確な額を知らないのが問題と感じている。自分のビジネスがどういう利益を生んで、そのうち何パーセントを納税しているのか、おおよその額は分かるが、正確な数値を知らないのである。「本来は会計ソフトに入力したいのだけど、やり方が分からない」という。

 「(岡田さんは)税理士に丸投げしてるから、なかなか確定申告の仕組みを理解できないんだよね」と奥川さん。実は確定申告には個人事業主にとって2つの利点があるという。

 1つは先ほど岡田さんも知りたいと言っていた、自社の経営状況が正確に分かること。利益がいくらで、それに応じた税金がいくらか。「例えば利益を計算するには売り上げと経費をしっかり把握する必要があるが、売り上げは把握していても経費が分からないという個人事業主は意外と多い」(奥川さん)という。

 もう1つのメリットは「節税」だ。確定申告で対象となる主な税金は所得税、住民税。独立してちょっと稼ぐ(年商1000万円超)と消費税の申告も必要となる。この税金の支払い額を合法的に減らすのが節税である。節税と言っても脱税ではない。利益が出た時に必要な投資を行うことで、投資分の税金を節約できることである。

「簡易課税制度」や「消費税の還付」って知ってる?

 年商が1000万円を超えると消費税の納税義務が発生するということは皆さんご存知のようですが、5000万円までは「簡易課税制度」というものが活用できます。業種に応じたみなし仕入率を使って簡便的に消費税を計算できるほか、設備投資が多い場合は初年度からあえて消費税の納税義務者を選択して消費税を還付してもらうこともできるのです。

 制度を適用した際のシミュレーションや、各種届出書を税務署に提出する必要がありますので、「自分の消費税ってどうなってるんだろう?」と疑問に思ったらお近くの税理士さんに相談してみて下さい。


 例えば「今年はしっかりもうけたなら、10万円以下の減価償却資産の対象とならないものを購入するのもありだし、レーシック手術やインプラント治療といった高額医療を計画的に受けて医療費控除って手もある。青色申告をしていれば、30万円未満の減価償却資産も一発で経費で落とせる。こうして税金の支払いを押さえることが可能なんだ。もうかった年は確実に来年使いそうなものを買っておくといい」(奥川さん)。岡田さんも「独立1年目にまさかのプラスになったんです。知人に『なんでその時にプリンタ買わなかったの?』と言われました(苦笑)」という。

 特に青色申告の場合は30万円未満の資産であれば、年間で合計300万円までを購入時に一括で経費処理できるのも特徴だ。白色申告の場合は10万円未満なので、青色申告だとかなりの資産を一括で経費処理できる(これは租税特別措置法という法律による特例制度で、2012年の税制改正大綱で2年間延長の予定)。確定申告(特に青色申告)を人任せにせず自分で行うことで、経営状況が透明化できるだけでなく、適切な投資=節税を行えるわけである。個人事業主の節税を考える上で重要なのが以下の“公式”。

  • 売り上げ(収入)−経費−各種控除=課税所得

 つまり支払う税金を減らすためには、この課税所得を減らせばいい。上記の式から考えると、

  1. 売り上げ(収入)を減らす
  2. 経費を増やす
  3. 各種控除を増やす

 ――の3点がポイントだ。1の売り上げは把握しているとして、問題は2と3だ。特に経費は、どの支払いが経費か、そうでないかを判断する必要がある。

経費とは?

 経費として認められるのは通常、業務の遂行上必要な部分です。自宅をオフィスと兼用にしているような場合は、家賃や水道光熱費、通信費などを、平米数など合理的な基準で区分する必要があります。

 なお青色申告の場合、年齢や勤務期間などの要件をクリアすれば、配偶者や親族に支払った給与を経費にできます。これは青色申告の特徴で、白色申告では経費にすることができません。


 また3の控除も毎年微妙に変わるのが税制の難しいところ。会社員は加入できないが個人事業主と中小企業の役員であれば、おすすめは何と言っても「小規模企業共済制度」。掛け金が全額所得控除できる上に、共済事由(事業廃止など)に該当すれば掛け金が満額以上受け取れる可能性が大きいのだ。ちなみに青色申告の場合はいくつか条件があるものの、最大65万円の控除や3年間にわたる損失の繰越控除がある。利益が出ていても控除、赤字でも控除、つまりどちらの場合でもメリットがあるのだ。今回のセミナーも青色申告を想定したものなので、ぜひチャレンジしてみてほしい。

やよいの青色申告 12

 とは言いつつ、個人ですべてを頑張るのはなかなか大変である。特に初めての場合は苦労しそうだ。「その人それぞれに配偶者や扶養家族があったり控除の条件が違う。奥さんを青色専従者にして節税しようとしても額を見極めるのが難しい。もうかったからと言って突然年末に給料を上げることもできない」(奥川さん)

 実際、そういう細かいところを見てくれるのが「税理士の腕の見せ所」(奥川さん)なので、これを果たして個人でできるのかどうか――。実はこの部分をかなりサポートしてくれるのがいわゆる「会計ソフト」。今回は弥生の「やよいの青色申告 12」を活用している。

名刺は広告宣伝費――仕訳アドバイザー

 まずは仕訳だ。奥川さんが岡田さんにどんどん質問していく。

奥川 月々把握しておかなくちゃいけない固定費はどれくらい?

岡田 実はオフィスはマンションの一室をパートナーとシェアしているんです。以前レンタルオフィスを借りていたんですが、地震でヒビが入ったので(苦笑)。一応支払いは私で、半額をパートナーに支払ってもらっています。あとは、通信費、移動費、出張費。結構出張が多いんです。今月も山形に行ったり。

奥川 そのほか定期的な支払いは?

岡田 Webクリッピングサービスや、新聞雑誌など情報収集のためのものにはお金をかけています。ただPRコンサルティングなので物販の事業者のような「仕入して販売して」みたいな業態ではありません。一緒に動いているパートナー企業への支払いは結構あるけど……。

奥川 独身?(「先生! それを聞いちゃうんですか?」と担当編集)。いや結構大事なんだよ。それで独身?

岡田 ……実は結婚してます! しかも旦那はサラリーマンです……。

奥川 なるほど、それなら控除の対象にはならないね。健康保険すら入れず……。

岡田 しかも子供もいないので、がっつり税金を払っています……。

奥川 でも共稼ぎなら、稼ぐ率の高いほうを控除の対象にするいいよ。医者の領収書も稼いでいるほうにまとめる。例えば夫がレーシックした場合、妻がもうかっていれば妻から支払っておけばいい。

岡田 え、まとめられるんですか?

奥川 夫がもうかっていなければ、それもあり。税金を減らすためのコツ。

医療費控除とは?

 医療費控除は、保険のきかない自由診療(レーシックや歯の治療など)についてもその病状に応じて一般的に支出される水準であれば対象となります。ただし、美容整形手術や人間ドックの費用は対象外です。

 なお、生計を一にする配偶者や親族の医療費を支払った場合も対象になります。同居の親族の場合も、明らかに互いに独立して生活していなければ、生計を一にする扱いになります。逆に通勤、就学、療養などの都合で同居していない場合も、常に生活費や療養費を送金していたり、余暇に起居を共にするような場合は生計を一にする扱いとなります。


岡田 なるほど! ちなみに仕訳でいつも悩むのが「雑費」なんです。雑費ってどこまで含んでいいんですか?

奥川 確かに悩むところなんだけど、そこで「やよいの青色申告」。この機能に「仕訳アドバイザー」というのがあって、調べればたいてい分かっちゃうんだ。例えば「雑費」で検索すると、取引例「自動車を購入し、リサイクル料金を現金で支払った」という項目が出てくる。自動車リサイクル料金1万3000円を現金で支払ったケースなんだけど、このリサイクル料金のうち、資金管理料金が1000円だったという場合ね。この資金管理料金が借方科目の「雑費」に入るってことがすぐ分かる。しかも、検索した事例を直接伝票に書きだすこともできるんだ。

岡田 うわっ! 便利ですね。

奥川 ちなみに「ゆうパック」は切手で料金が支払えるんだけど、切手は通信費、ゆうパックは荷造運賃に仕訳できるんだよね。ゆうパックを切手で払うとどういう仕訳になるんだろう? いずれにせよ、消費税を原則課税で申告するならきっちり分けなくてはいけない。

岡田 講師を雇うのは外注費ですよね。あ、面白いのは名刺は広告宣伝費になんですね。

奥川 そう、Webサイトの制作も広告宣伝費になるからね。

簡単取引入力で素早く入力

 仕訳とは何かを理解したら実際に入力してみよう。「やよいの青色申告」をインストールし、いよいよ取引に関する(というより経費に関する)データを入力していく。

領収書の山

岡田 わー、見るからに面倒くさそう……。

奥川 確かに本当なら1カ月ごとに入力しなくちゃいけないし、領収書の山を前にするとどうしてもなえるよね。だけど、個人でやるなら僕はこうしているんだ。

奥川さんの入力方法

  1. 1年間の領収書をためて科目ごとに分ける
  2. 例えばガソリン代の領収書の束から1枚だけ入力
  3. 自動的に仕訳されるので、ガソリン代の領収書の枚数分だけコピー
  4. その後、1枚ずつ金額と日付を変更し、登録
  5. 以後、ほかの科目の領収書でも同様

奥川 領収書を貯めている場合、この方法だと圧倒的に早いんだよね。さらに「やよいの青色申告」には「伝票辞書」という頻繁(ひんぱん)に出てくる仕訳をサーチキー一発で呼び出す機能もついている。ぜひ試してみてほしいな。

岡田 入力が素早くできるとやる気になりますね! 

奥川 そうそう、その調子。実際は決算月以前に集計しないと節税できないから、12月が決算だとしたら遅くとも10月までの領収書を入力するわけ。10月なら残り2カ月の売上、経費も予測できるからだいだいの決算が分かる。もうかってたら節税対策を考える。それが人任せだとちょっと難しいよね。

取引タブを選んで左上の「簡単取引入力」をクリックするだけ
簡単取引入力のフォーム。指示に従って簡単に入力できる

青色申告決算書を出力――「えっ、私の年収これだけ?」

 さて、売り上げや経費、給与、固定資産などの各種情報を入力すれば、最後は青色申告決算書と申告書を出力するのみ。

岡田 (どうせ出力とか言ってもExcelの表みたいなのが出てくるんでしょ?)

奥川 よし、入力が終わったら、その出力ボタンを押してみよう!

え、こんな簡単に決算書が出せるの?

岡田 ポチっとな。……!! おー、すごい! これ決算書そのものですね! リアルにこれ印刷すればいいだけですか?

奥川 そう。あとは、申告書B表に保険控除や住宅取得控除があれば入力して印刷するだけ。

 岡田さんが驚いたのは「やよいの青色申告」の機能「所得税確定申告モジュール」。提出用紙そのままの画面に帳簿の数字を自動的に反映してくれる優れモノである。一見細かく見える文字の拡大も可能で、間違った数字の入力は警告もしてくるのだ。

 さまざまな会計ソフトが販売されているが、仕訳入力や青色決算書の作成はできても、確定申告書(税金計算)の作成まではできないものもある。税金計算の部分は毎年税制改正があるため開発のコストとスピードが要求されるからだ。その点「やよいの青色申告」は、この価格(1万500円)で青色決算書のみならず、確定申告書まで連動で作成できるのは特筆すべき点だろう。

岡田 すごーい。できた! というか私の年収これだけ?

奥川 さすがに年収を増やすのは「やよいの青色申告」じゃあできないからね(笑)


 青色申告は帳簿を付けなければいけなかったり、決算書と申告書が必要だったりといろいろ制限がある分、これまで及び腰だった人も多いはず。そんな制限をソフトの力で越えることで、青色申告が本来持っているメリットを生かせるはずだ。いつもはあきらめている個人事業主も、今年こそは「やよいの青色申告 12」を使って、青色申告にチャレンジしてみてはいかがだろうか。

 ちなみに「やよいの青色申告」は白色申告(収支内訳書)にも対応している。伝票入力の部分は青色申告と同様だ。「白色申告だけど、やよいの青色申告を導入してみる」というのももちろんあり。1〜2年使ってみて「青色申告でやれそうだ」と思ったら税務署に「青色申告承認申請書」を提出してみるのもいいだろう。

今年こそは「やよいの青色申告 12」を使って、青色申告にチャレンジしてみてはいかがだろうか

監修:飯塚智治税理士からのおすすめ「年間推移表」

飯塚税理士

 「やよいの青色申告」は確定申告の時期に購入する人が多いソフトウェアなので、毎年2〜3月ごろにまとめて入力する人が多いです。

 しかし、日ごろから入力しておいた方が、より「経営」に生かせるはず。やよいの青色申告なら、ボタン1つでシンプルで見やすい「年間推移表」を出力して、タイムリーに売上、経費、利益の推移を把握できるからです。ぜひ実践してみて下さい。

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