マインドマップは難しいものだ、という認識を持っていませんか? 実際は小学生にも描けるくらい、気軽に始められるやさしいツールなのです。
アイデア発想法は世の中にたくさんありますが、有名なものの1つにマインドマップがあります。マインドマップに関する本は書店にたくさん並んでいますし、誠 Biz.IDでも何度か取り上げてきました。
しかし「マインドマップという言葉は聞いたことはあるけれど、実際描いたことがない」とか、「どういう場面で使えばいいのか分からない」といった人も多いと思います。
ということで今回は、ブザン教育協会主催の「第1回マインドマップコンテスト」一般の部で大賞を受賞したやまもとさをん氏(ブログ「マインドマップ1年生 plus ライフハック!」)にインタビューをしつつ、マインドマップを使うメリットや素朴な疑問などを聞いてみることにしました。
まずはじめに、マインドマップについて説明します。マインドマップ公式サイトによれば、
マインドマップは、英国の教育者トニー・ブザンが開発した思考技術。自然を模倣したかのようにノートを取る方法で、理解力、記憶力、発想力、問題解決力をはじめとしたさまざまな脳の力を一瞬にして引き出します。
とあります。つまり思考技術の1つなのですが、実物を見たことがない人のためにも、以下にマインドマップを例示します。
このように、中心から放射線状に枝が伸びていく図のようなものを「マインドマップ」と呼んでいます。
似たようなものに「ロジックツリー」がありますが、こちらはMECE(漏れなくダブりなく)の規則に基づいて書かれています。ロジックツリーとマインドマップの違いは、前者がロジカルシンキングを重視するのに対し、後者はロジカルにこだわる必要がないということ。マインドマップでは、階下に同じ語を何度書いても問題なく、語と語の上下関係にも決まったルールはありません。
では、この発想法のメリットとは何なのでしょうか? さをん氏によれば、大きく分けて以下の3つが挙げられるそうです。
それでは、これら3つについてそれぞれ見ていきましょう。
アイデアを発想する際には、メモ帳などに書き出すことが多いと思いますが、ただ個条書きをするだけでは発想に限界があります。
しかしマインドマップを使うと発想が図示化されるため、キーワードごとのつながりが分かりやすくなります。しかも、まったく違う方法に伸びていった枝の先にある言葉同士を結び付けることも可能になるため、アイデアとアイデアを組み合わせることも、個条書きに比べて簡単にできるようになります。
また、全体を見渡せるということは「設計思考」にも近い手法です。図示化していくうちにそのテーマの輪郭がはっきりするため、企画書などの書面に簡単に落とし込めます。
マインドマップは、中心から放射線状にアイデアを発散させていきます。すなわち、その思考の核となるもの(課題など)が常に中心にあるので、発散の軸がブレないというメリットがあります。
加えて、図示化することで頭の中のモヤモヤ感を整理することも可能。個条書きなどに比べて、マインドマップは視覚的な図であるため、より脳内のイメージをビジュアル化しやすいのです。
発想は常に順番に出てくるとは限りません。個条書きだと浮かんできた順番に書くしかありませんが、マインドマップであれば発想の割り込みや追加も容易できます。
個条書きで書くと、どうしても発想にリミットが掛かってしまいます。しかしマインドマップを使うと、紙1枚の上で前後関係にとらわれることなく自由に表現が可能なので、その制限を気にせず描くことができ、結果として発想が広がります。
アイデアが生まれる際には、何らかのきっかけやトリガーが必要になります。マインドマップは連想ゲームのように思考を広げやすく、いうなれば芋づる式に思考を引き出すことができるため、そのトリガーへ導きやすく比較的アイデアが出やすいのです。
以上、マインドマップを描くメリットについてご説明しました。次ページでは、マインドマップを描く際の素朴な疑問を、さをん氏に聞いてみます。
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