ほしいアプリがひと晩で手に入る――Androidのここがいい!Biz.ID Weekly Top10

Androidの最新動向を追う勉強会に参加してきました。新しい技術、これから盛り上がりそうなテーマをいち早く察知するには開発者コミュニティーを追うことが1つの手のようです。

» 2011年12月27日 12時30分 公開
[上口翔子,Business Media 誠]

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 先週末の話ですが、当社主催の勉強会(Facebookページに飛びます)に参加してきました。この勉強会は毎月第3金曜日(12月は例外で木曜日)に社外の識者を招き、特定のテーマについて論じてもらうという取り組みです。12月のテーマは「Androidを取り巻く最新動向――それらが意味するもの」。コモンズ・メディア代表でITジャーナリストの星暁雄さんがAndroidを取り巻く最新の状況/今後の動向や、オンラインメディアはAndroidとどう向き合うかについて独自の見解を踏まえながらプレゼンテーションしました。

勉強会自体はアイティメディアの社員だけでなく、一般の人は誰でも参加ができるオープンなもの。今回も学生や他社の方を含めて25人ほどが参加しました

 星さんはIT業界の最新動向、特にAndroidの動向を開発者の興味関心がどこにあるかにも注目しながら追っているジャーナリストです。自分用のAndroidを初めて入手したのは2009年12月と、Androidの初搭載機(携帯電話)「Android G1」からのユーザーというわけではないのですが、2009年に参加したAndroid開発者向けイベント「Android Bazaar and Conference 2009 Fall(ABC 2009 Fall)」でAndroid開発者コミュニティーの熱気に触れたことがきっかけでAndroidに興味を持ったようです(※)。

(※)ちなみにご本人は以前iPhone 3GSを使っていて「(今はAndroidの話をしているので誤解されるかもしれないが)iPhoneもすばらしい端末」と話していました。

 Androidは進化のスピードが速いのと、開発者コミュニティーに活気がある点が魅力なのだそうです。例えば、日本語入力アプリ「Simeji」の開発背景。ご本人の記事(ITPro)でも書かれていますが、Simejiは開発のベースとなったオープンソース公開の翌日に当たる2008年11月18日にリリースしたアプリです。開発時間はなんと約1時間。当時、日本ではまだAndroid端末は発売しておらず、2009年7月にNTTドコモが国内初のAndroid携帯「HT-03A」を出したときには既にSimejiはマーケットに存在していたというわけです。

 「起きたらほしいアプリがあった」と星さんが舌を巻くほど、開発スピードの速さを象徴するアプリもあったと言います。QRコードを読み込み、Twitterに投稿できるアプリ「QR2Tweet」です。これは星さんのTwitterでの投稿がきっかけでそれを見た開発者(@esmasui)が一晩で作ったもの(その経緯はtogetterにまとめられています)。他のアプリの機能を呼び出すことができるAndroidの「インテント」機能があったこと、開発スピードの速さ、そしてTwitterによる拡散によって生まれたアプリです(当時の様子をまとめた記事はこちら:「起きたら欲しいアプリあった」 Twitterで“Androidアプリ速攻開発物語”)。

 先ほど開発者コミュニティーに活気がある点が魅力の1つだと紹介しましたが、これは今後のAndroidの動向を追う上でも重要なポイント。開発者コミュニティーでの反応は市場の先行指標であり、良い開発コミュニティーがある技術はしぶとく生き残る、と星さんは言います。そういう意味では、実機が出ていない段階で生まれた開発コミュニティー(日本Androidの会)の存在は、Androidの普及指標を表す1つの側面だと言えそうです。

 この他にもいろいろ興味深い話が聞けたのですが、印象に残ったのは星さんが新しい技術などに出会ったときに心掛けていること。「自分はペンを持ったエンジニアであり、技術者視点でエンジニアに取材をする」。よいジャーナリズムとエンジニアの価値観は近いのだと星さんは話していました。

 開発者目線、エンドユーザー目線、メーカー目線、さまざまな角度からの捉え方があると思いますが、星さんの場合には最新のAndroid動向に触れられるエンジニア目線で事象を追い、かつ自分も1人のユーザーである点も忘れずに取材をしているのだと感じました。

 ちなみに、星さんに聞いたお薦めAndroidアプリ10選という記事を2012年1月に公開予定です。こちらは連載ですので、星さん以外にも+D Mobile編集部の園部さんなどにも登場予定です。それでは、今年1年お付き合い頂きありがとうございました。来年も誠 Biz.IDをよろしくお願いします。

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