スマホなら続く! 家計簿で節約上手あなたの不安、見積もります

節約するにはとにもかくにも家計簿を付けること。ですが、紙の家計簿は付け忘れたり、その場ですぐに付けられなかったりするので、三日坊主になりがち。そんなあなたにオススメなのが“スマホで家計簿”です。

» 2011年12月21日 18時20分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 節約するにはとにもかくにも家計簿です。私の知る限り「家計簿は一切付けないが、お金のやりくりは上手」という人にまだ出会った試しがありません。年の瀬のこの時期になりますと、手帳という記録ツールが大いに盛り上がりますが、手帳と並んで重要なのが家計簿です。

 ただ私が思うに、紙の手帳も家計簿も今となっては「ある事情に対応する」ためのツールです。例えば紙の手帳は、会社のセキュリティが極めて厳しいので、クラウドを使うわけにはいかないといった事情に対応するために使うものだと思います。紙の家計簿を使うのは、デジタルツールは生理的に受け付けない、または「デジタルツールには可愛いものがない」といった事情に対応するためでしょう。

 紙の家計簿(お小遣い帳)は、私も10年ほど付けていた時代がありましたが、あまりに不便すぎて、デジタルへの移行をしないどんな弁護も成り立ちません。デジタルツールは「味気がない」とか「便利なら、それでいいのか?」とかいう批判もありますが、こと紙の家計簿に関していえば「不便だけど、それでいいのか?」と言わざるを得ないのです

クラウド対応のiPhoneアプリを使う

 私の行きついた結論は「家計簿はクラウド対応のiPhoneアプリを使うのが圧倒的に便利」ということ。つまり入力は基本的にiPhoneで行い、一気にたくさん入力したり、読み返したり分析したりしたいときにはPCの広い画面を利用するわけです。

 発想は実に単純で、お金を使ったらとにかくiPhoneから「つぶやく」気持ちで「何に使ったか?」と「いくら使ったか?」だけを残します。原則としてこれだけのことをすればいいのです。最初はカテゴライズもあとからの分析も反省も一切しないことにして、とにかく記録を残します。

 記録が残っていればカテゴリなどいくらでも変えられますし、グラフを読んだりするのもあとからいくらでもできます。記録が残っていないと何もできません。

 私自身は「iCompta」(170円)というiPhoneアプリを利用しています。これはMacOS向けのソフト(1650円)もあって、iPhoneでもMacでもほぼ完全に同じことがやれるので大変便利なのです。しかし今どきWindowsでもAndroidでも家計簿ソフトくらいはあるので、ぜひ利用してください。



 最初にやることはとにかく財布の中の「残高」を入力し、あとはお金の出入りがあるたび、家計簿ソフトへ入力するだけです。確実にその場でやれば、日付の入力は不要であり、どこでいくら使ったかもレシートを見ずとも思い出せるし、「使途不明金」なども発生しようがありません。「あとでまとめて大ざっぱにやろう」とするから、記憶を探る必要が出たり、日付を変える必要が出たり、金額が狂ったりするのです。

 これまで紙の家計簿は持ち出すものではないため、そもそもこうした発想が家計簿についてなかったのですが、スマートフォンは四六時中身に付けているものでしょう。それは家計簿を付けるのにうってつけの存在です。日記と並んで「面倒で続かない」習慣の代表格にあげられていた家計簿ですが、それは過去の話なのです。


筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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