Evernoteをやってみたはいいが整理できずに放置するパターンに陥っている人もいるはず。大量の情報をEvernoteに入れてどうさばくか――。佐々木正悟流の整理術を紹介します。
Evernoteをやってみたはいいが、大量の情報をスクラップした挙句、整理できず放置――という挫折のパターンもあると聞きます。そこで今回は、私なりのEvernote整理術を紹介しましょう。
整理術といっても、そんなにたいそうなものではありません。Evernoteに「インボックス」というノートブックを作って、そこにとりあえず何でも入れておいて、1日の終わりにそれらに対してアクションをし、すべてにアクションしたところでインボックスの中をゼロにするようにしています。
ただし、インボックスにあまりに大量のノートが入ってくると整理が面倒になるので、滞留しがちになります。それを防ぐためにも、そもそも大量のノートがインボックスに入ってこないようにしておくことが必要です。そのためには何らかのアクションが不要なものは、最初からインボックスではないところに自動的に振り分けられるようにしておけばいいのです。
先週の記事でもお伝えしたとおり、私はEvernoteのノートブックとして「カタログ」という分類項目を設けています。このカタログというのは、「いつか役立つかもしれない」「いつか使うかもしれない」情報をカテゴリごとにまとめたもの。書籍のカタログであればAmazonで気になる本をクリップしていますし、文具カタログであれば楽天などからクリップしています。モノでなくても「ライフハックカタログ」や「iPhoneTipsカタログ」などもすぐ作れます。
ポイントは、カタログにはすぐに使う大事な情報は入れないこと。情報量は多くなってもいいのです。私はカタログに入れた情報をほとんど使用しません。
一方、カタログとはまったく異なる分類項目もあります。それが「ライフログ」です。ライフログはカタログと違って、ある意味では「全部使った」ものです。カタログが全部なくなっても「ちょっと不便だな」で済みますが、ライフログが全部なくなったら心が痛手を負うでしょう。
このようなライフログは先ほどのインボックスに入れる必要はありません。フォトログなら「フォトログ」というノートブックを決めておけばOKです。つまり目的がはっきりしているスクラップはインボックスに入れず、最初から所定の場所に整理しておけばいいわけです。
例えば私は「PictShare」(250円)というiPhoneアプリを使って「フォトログ」を作っていますが、これは最初からインボックスに入れず「フォトログ」というノートブックに直送しています。また「ツイエバ」からの「自分のツイートのまとめ」も同じように最初から「ツイエバ」のノートブックに行くようにしています。他のライフログについても種類で分けてノートブックに入れるだけにしておけば、インボックスが急速にふくれあがる気遣いはなくなります。
さらに「ATOK Pad for iPhone」を使うようになって以来、「自分のメモ書き」は全部ATOKPadにまずはいるようになってきました。つまり、Evernoteの「インボックス」には「自分のメモ」「ライフログ」の類は最初から入ってこないわけです。
ということは、何が「インボックス」に入ってくるかというと、Web上のクリップが圧倒的なわけです。私の場合「Webクリップ」とは、
がほとんど。たいていは「カタログ」なのです。最終的にはこれもインボックスからはごそっとどかして置きます。これでインボックスには作業が必要名ものだけが残ったはず。カタログの処理は先週お伝えしたようなやり方で、大ざっぱに分類しておけばいいでしょう。
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。
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