Twitter型、Facebook型、mixi型――あなたは何型? コミュニケーションデザインの6タイプソーシャルブランディングの時代(1/4 ページ)

Twitter型、Facebook型、mixi型、Ustream型、バランス型――などなど、ソーシャルメディア上でのブランディングにも人によって得意不得意があります。それぞれの特性を確認して自分にあったソーシャルメディアを検討しましょう。

» 2011年08月24日 16時45分 公開
[大元隆志,Business Media 誠]

 共感を通じてより多くの人にコンテンツが届くように、導線、ホームグラウンド、エンゲージメントを設計(デザイン)します。この「コミュニケーションデザイン」には6つのタイプがあります。それぞれ具体例を挙げながら紹介します。

タイプ1:Twitter特化型

 1番目はTwitterのみで、導線、ホームグラウンド、エンゲージメントを行うパターンです。このタイプの特徴は、誰でも簡単に始めることができる点にあります。140文字のつぶやきを定期的にポストするだけであり、また最近はニュースサイトなどでも当たり前のようにTwitterボタンが付いているので、気になるニュースを読んだら「つぶやく」ボタンを押すだけで、ある程度のブランディングが可能です。もちろん、Twitterの特徴である拡散性にも期待することができます。

 しかし、Twitterだけでは、あるレベル以上の深い交流を行うことも、マイクロセレブになっていくのにも限界があります。理由は2つあります。

 第一は、140文字だけで見ず知らずの他人を魅了し、ファンにするのは非常に難しいからです。Twitterの中にはたくさんの著名人が存在するため、Twitterだけでも有名になることが可能だと誤解されがちですが、そこが大きな落とし穴です。日本のTwitterで有名人といえば、孫正義さん、浜崎あゆみさん、勝間和代さんなどが挙げられると思いますが、この人たちに共通しているのは、Twitterを始める前から、現実社会やマスメディアの世界で有名人だったということです。決して「つぶやき」の力だけで数十万人のフォロワーを獲得したのではありません。

 胸に手を当ててじっと考えてみて下さい。そういった「有名人」を除いて、たった140文字のつぶやきだけで、あなたの心を魅了するような人が周囲にどれほど存在するでしょうか。恐らくはTwitterだけでなく、ブログや書籍といった他のコンテンツを見てファンになったというケースが大半であり、Twitterのつぶやきだけでファンになった人はほとんどいないのではないでしょうか。

 またTwitterでは、コンテンツの賞味期限が見逃せない制約となります。Twitterでは情報がどんどん消費されていくからです。たとえ数万人にRTされても、それでヒーローになれる時間は24時間が限界です。リアルタイムメディアと呼ばれるTwitterの大きな特徴ですが、数日前の情報の大半は見向きもされません。たった1日だけ有名人になることはできるかもしれませんが、次の日も大勢の人を沸かすことができなければ、あっという間にあなたは人々の記憶から消えていきます。

 こうしたことから、Twitter特化型のソーシャルコミュニケーションは、手軽に始めることができる反面、ブランディングの効果は限定的です。とはいえ、すでに現実社会で知名度のある方が手軽にブランディングを維持するのには効果的です。現実社会での知名度がゼロの状態からスタートする人にとっても、手軽に開始でき、継続も容易です。まずはここを起点に、ソーシャルメディアで人と交流する楽しさを体感し、他のタイプへと発展させていくとよいでしょう。

タイプ2:Twitter&Facebook型

 最近増えてきたタイプが、TwitterとFacebookページを組み合わせる使い方です。これは導線にTwitterを使い、エンゲージメントとホームグラウンドにFacebookページを使います。

 このタイプでは、Twitterアカウントとは別にFacebookアカウントを取得し、Facebookページを作らないといけませんので、手軽さはタイプ1と比べて若干低下します。しかし、拡散性はTwitterとFacebook両方での効果が期待できるため高まります。

 Facebookはコメント機能を具備しているので、あなたが提供するコンテンツに対してコメントが付くことがあります。Facebookはブログなどの他サービスと比べて「コメントが付きやすい」という傾向があります。これにより、あなたの提供するコンテンツを軸としたファンとのエンゲージメントが行いやすくなります。

 さらに副次的な効果として、あなたとファンだけでなく、ファンとファンの交流も可能になります。あなたがコンテンツを提供しなくても、ファン同士が交流を深めることで、あなたのFacebookページが単なるコンテンツ提供の場から、交流の場へと変化します。

 Facebookページには、Javaなどを駆使したリッチなコンテンツを掲載できるので、ホームページで提供可能なコンテンツはほぼすべて提供可能です。人々の心を魅了するようなコンテンツを提供し続ければ、マイクロセレブになるのも夢ではありません。

 いい事づくしのようですが、このタイプの落とし穴もまた、Facebookの仕組みにあります。後述の「ワンランク上のFacebook活用」で詳しく触れますが、Facebookには「エッジランク」という仕組みがあります。そのため、あなたの投稿するコンテンツが、全てのユーザーのニュースフィードに表示されるわけではないのです。

 Facebookにはさまざまなリッチなコンテンツを提供することが可能です。そういったリッチコンテンツが惜しみなく導入されている企業などの運営する美麗なFacebookページと、個人レベルで競い合うのは難しいと言わざるをえません。

 また、どれほど頑張っても、エッジランクは時間の経過とともに低下していきます。従ってこのタイプは、手軽に始めることができますが、マイクロセレブであり続けるには多大な労力を必要とするので、どうしても継続性は低下します。

 さらに、このタイプもタイプ1と同様に、コンテンツの賞味期限が短いという特徴があります。賞味期限はせいぜい3日から1週間程度です。これは、時間が経過したコンテンツはエッジランクのせいでニュースフィードに表示されにくいという特徴と、Facebookの検索性の悪さによって、過去のコンテンツが見つかりにくいという点に起因します。

 このタイプに適しているのは、以下のような人たちです。

  • Facebook以外の現実世界にすでに多くのファンを持ち、ファンが自ら定期的に訪問してくれる人
  • イベントや期間限定キャンペーンを頻繁(ひんぱん)に開催する人

 定期的にコンテンツを提供し、ファンを飽きさせない工夫を継続できる方には適しています。しかし、ファンが飽きてしまうと、あなたとあなたのファンとのエッジランクは低下し、あなたの投稿するコンテンツは表示されなくなってしまいます。

 かなり個人にはハードルが高いこのタイプですが、すでに全世界で6億人のユーザーを抱えるFacebookですから、もしあなたのコンテンツが英語圏でも通用するタイプのものであれば、非常に安価に世界中からファンを呼び寄せることが可能です。英語に自信があるか、音楽や映像といった言語に左右されないコンテンツを提供できる人にはお薦めです。

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