3時間前倒しするだけ――早起きをさまたげる3つの誘惑朝シフト仕事術(1/2 ページ)

早起きすることは何となく苦しい作業のように思えますが、シンプルに考えると生活時間帯を3時間前倒しするだけでOKです。ただ、そのためには夜の誘惑を断ち切らなければいけません。

» 2011年07月27日 11時50分 公開
[永井孝尚,Business Media 誠]

 朝早くから起きて活動していると時々「そんなに早起きして活動するなんて、ストイックですね!」と言われることがあります。しかし、私は睡眠時間を削っているわけではありません。実は、起きている時間を2、3時間前倒ししているだけなのです。そう考えると、急に気持ちが楽になりませんか?

 私は、嫌なことを我慢して続けられるほど禁欲的なわけでもなければ、意志が強いわけでもありません。朝シフトをするのは、そうしたほうが得られるものがたくさんあるからですし、そのほうが楽だからです。

 早朝出勤すると、それほど混んでいない電車にゆったりと座れます。とても楽ですし、本を読んだり、PCを広げたりして、自由に時間を使えます。私からすると、普通の通勤時間帯に、ギュウギュウ詰めの超満員電車で、1時間も我慢して出勤するほうが、ずっとストイックのように思えます。まるで修行のようです。わずか2、3時間、早い時間にシフトするだけで、この体力を消耗する状況を避けることができるのです。

 しかも、誰もいないオフィスでは、仕事がどんどんはかどります。早朝ですから、電話もかかってこないですし、誰にも邪魔されずに、目の前の仕事に集中することができます。さらに後ほどご紹介する朝シフトを前提にした仕事術を組み合わせることで、夜に残業するのと比べて、朝の生産性は6倍に高まります。

時間は増やせない。中身を濃くするだけ

 時間には限りがあります。1日は誰にでも平等に24時間しか与えられていません。時間という資源は本当にかけがえのないもので、誰にも増やすことはできません。増やせないからどうするかというと、中身を濃くするしかないのです。

 人生の限られた時間をうまく活用し、より密度の高い時間を過ごすことができれば、仕事だけでなく、プライベートもライフワークも充実します。朝シフトは、この限られた時間という資源を有効活用するための方法論。しかも、禁欲的ではなく、むしろ快楽的な方法論なのです。

 どんなに眠たくても、いつかは起きなければいけません。布団の中から抜け出るのが辛いのは、何時に起きても同じです。それだったら、むしろ早く寝て、その分早く起きて、ゆったりと通勤したほうが、ずっと楽しいですよね。

 ただ、朝シフトするのにはちょっとしたコツがあります。多くの人が朝シフトできないのは、このコツが分からないからです。本章では、朝シフトがうまくいくためのコツを順番にご紹介します。

朝シフトを阻む3つの誘惑

 自宅に夜9時頃帰ってきて、まずテレビのスイッチを入れて、風呂に入ったり、夕刊を読んだり、ネットを見たりしているうちに、気がつくと夜中の0時か1時になっていた……。そんな経験、ありませんか? あるいは、週に数回、同僚と飲みに行って、午前様が続いたり……。

 もし、あなたが毎晩そんなふうに時間を使っていたとしたら、チャンスです。あなたは朝シフトで大きく人生を変えられる可能性があります。朝シフトは、睡眠時間を削って無理やり起きることではありません。生活時間を数時間前倒しして、朝早く起きる分、早く寝ましょうということです。

 ところが、夜にはたくさんの誘惑があります。ここでは朝シフトを阻む代表的な誘惑を3つとりあげましょう。

夜の誘惑――テレビ番組

 まずは、夜のテレビ番組です。テレビをつけていると、ボーッとして何もしないまま、時間だけが過ぎていきます。実はテレビは、知らない間に貴重な時間を大量消費させるものなのです。「いやあ、そうは言っても、あの気になるドラマの結末がどうなるか、先週からずっと楽しみにしているんだけど」とか「毎週○曜日の映画劇場を見るのが楽しみで、遅くまで起きていてしまう」はたまた「深夜放送のあの番組が、どうしても気になっちゃって」など――。

 かくいう私も、子どもの頃から毎日3、4時間はテレビを見ていた“テレビ大好き人間”でしたから、その気持ち、よく分かります。

 しかし、考えてみてください。夜のテレビ番組は、あなたにとって、満員電車で1時間辛い思いをするのと引き換えにしてもいいほど、大切なものなのでしょうか? あなたの人生にとって、プライベートやライフワークを犠牲にしてもよいほど本当に大切でしょうか?

 どうしても見たい番組ならば、録画して週末にまとめて見る方法もあります。あるいは、テレビ放映される映画ならば、週末にDVDを借りてゆっくり見る方法もあります。「いや、そこまでして見たいとは思わない」ということであれば、逆に、見ることをスッパリあきらめても問題はないはずです。

 ちなみに、あれほどテレビ大好き人間だった私も、今はニュース番組を短時間見るだけです。

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