苦しい営業から逃れるために、すべきこと売り込まず、お客をファンにする方法(1/3 ページ)

「営業マンは自分自身がブランドになるべき」と聞いても、ピンと来る人は少ないだろう。なぜなら多くの営業マンは、“売り込みのテクニック”ばかりに興味を持っているからだ。しかしテクニックばかりに頼っていると、行き詰まるときがやって来るだろう。

» 2011年06月22日 08時00分 公開
[安東邦彦,Business Media 誠]

安東邦彦(あんどう・くにひこ)のプロフィール

1970年、大阪府茨木市生まれ。24歳で通信販売会社を起業し成長させたのち、ITベンチャーの立ち上げに参画。同社では、取締役として営業部門の仕組みづくりを確立。その後、営業コンサルティング会社、株式会社ブレインマークスを設立。

マーケティングに関するノウハウを追及し続け、これまでに行ったセミナーの数は1000回を超える。プロセスマネジメント財団認定コンサルタントであり、企業のブランド化、営業の組織化を提唱している。著書に『営業のミカタ』がある。


 私は、営業に携わるすべての人が自身のブランドを構築する意識をもち、そのための時間をつくるべきだと考えています。米マーケティング協会の定義において、ブランドとは「売り手、あるいは売り手の製品・サービスを識別し、競合他社の製品・サービスと差別化すること」とあります。

 ポイントは「売り手」がブランド化する対象に含まれているということ。競合との差別化を図るブランディング戦略は、商品やサービスだけでなく、営業マンにも当てはまるのです。しかし「自分自身がブランドになるべきである」と言っても、ピンと来る営業マンは少数派でしょう。そしてあなたも「ブランドなんて、自分には関係ない」と思ってはいないでしょうか?

 「高級であれ」と言っているわけではありません。必ずしも高級なものがブランドとは限りません。「有名になれ」と言っているわけでもありません。一般的にはそれほど知名度が高くなくても、知る人ぞ知るブランドにも十分な価値があります。重要なのは、支持されたい人に支持される存在になることです。

営業マンのブランドをもつ価値

 ではなぜ、営業マンがブランドをもつ必要があるのでしょう。その理由は極めてシンプル。ブランドとなることが、営業成果を高める効果的な方法だからです。

 まず特筆すべきは、顧客を説得する行為が不要になることです。ひとたび、ブランドが顧客に浸透すれば、あなたの商品やサービスを顧客が利用しようと考えた際に、「真っ先に思い浮かぶ」ポジションを獲得することもできるのです。

 ニーズの少ないところにニーズを創造したり、話を聞きたくない顧客を追いかけたりして、振り向かせなければならない従来通りの営業活動は、既にブランドを構築している営業マンからすれば、その営業スタイル自体が、無意味に思えるのです。もしあなたが、見込み先を発掘するまでの苦しみから解放され、もっと効果的な販売をしたいと考えているなら、自分がブランドになることに時間を注ぐべきです。

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