ショットノートやairpenPocketを活用して図解メモのクラウド化を推進してきた筆者。今回はスマートフォン用のアプリ「JotNot Scanner」を使ってみました。
プレゼンの構想や会議、アイデアのメモを図解で記録している筆者ですが、たまにかなり昔書いたメモを見たいと思うことがあります。しかし、描き込んだ手帳をすべて持ち歩くわけにもいかず、手書きの図解メモをスマートフォンで持ち歩きたいと考え、「クラウドメモ」にふさわしいソリューションを調査中。
これまでキングジムの「SHOT NOTE(ショットノート)」、ぺんてるの「airpenPocket」を使った方法を紹介しました。今回はiOS端末やAndroid端末で利用できる「JotNot Scanner」(115円)というスキャナアプリを使って、クラウドメモの使い勝手を検証してみます。
さて「JotNot Scanner」ですが、これはMobiTech 3000 LLCという会社が販売しているポータブルスキャニングアプリです。手書きのメモはもちろん、ホワイトボードに描いた打ち合わせ内容、雑誌のコラム、およそ撮影できるものならなんでも、クラウド上にデジタルファイリングできる賢いやつです。
撮影対象はなんでもよいので、専用ノートを購入したりする必要はありません。今回は、市販のプレーンノートを用意し、図解メモを描いてみました。内容はショットノート、airpenPocket、JotNotの特徴をそれぞれまとめたもの。入力方法、保存方法、サードパーティソフトとの連係という視点で比較した表を作ってみました。
次に、描いたメモをJotNotで撮影。ショットノートのように読み取りマーカーを気にする必要はないので、保存したいエリアまでグっと寄れるのがいいですね。撮影後には、JotNot Scanner独特の「台形補正」画面を表示しますので、実際に取り込みたいエリアになるよう、四隅や四辺をドラッグして調整します。調整が完了したら「Process」をクリックして取り込みます。
取り込まれた画像の印象は、かなりキレイ。ショットノートの専用メモでは、グリッドも一緒に取り込んでしまう傾向がありましたが、JotNot Scannerは普通にデスクトップスキャンするのと、さほど変わらないクオリティの印象。罫線なしのプレーンノートが好きな筆者としては、ありがたいです。
取り込んだイメージはグループ管理が可能なので、複数枚のメモを1つのメモとして保存する場合も便利。実際、メモ1枚に内容が収まる場合と、そうでない場合があるため、グループ管理は必須ではないでしょうか。
JotNot Scannerのような“クラウドメモ”、どれほどサードパーティ製のWebサービスと連係できるかも気になるところです。JotNot Scannerでは「Evernote」「Box.net」「Dropbox」「Google Docs」などと連係可能。筆者はDropboxのへビーユーザーですので、さっそく自分のアカウントを設定してみました。
メモを選んで「Sharing」のボタンをタップすると連係可能なサービスの一覧を表示するので、ここからDropboxを選ぶだけ。Dropbox内のディレクトリを確認しながら作業できるので、スピーディで失敗もありません。
今回のJotNot Scannerは「ひと手間かけてもクオリティにこだわりたい」という人、「ノート以外、例えばホワイトボードや本や雑誌の一部をクリッピングしたい」というような人にはぴったりのサービス。品質、機能性を考えると同種のアプリの中では群を抜いているようです。
ただ、品質や機能が高いからといって、使い続けられるかどうか、ちょっと不安も残ります。得てして品質が多少落ちても、作業が単純であることが大変重要なポイントだからです。JotNot Scannerでも台形補正の部分はちょっと複雑。いちいち手動で補正しなければならないところに、少し難しさを感じました(用紙サイズなどを固定すれば補正もあまりいらないのかもしれませんが……)。
ちなみに、書いた内容をプリントアウトできるホワイトボードがありますが、JotNot Scannerがあればもう要らないかもしれません。
パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。
「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
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