目指せ35%省エネ、今だからこそ“本気の節電術”(前編)大規模停電を回避せよ!(1/5 ページ)

東北関東大震災の影響で、首都圏の大規模停電も懸念されている昨今。実際に大規模停電が起これば、首都機能がマヒし、最悪日本全体に影響しかねない。この大規模停電を避けるためにも節電できるところは節電するのが肝心だ。とはいえ「テレビを消せ」「PCを付けっぱなしにするな」という実効性が疑われることに努力しても仕方がない。本当に効果のある節電を考えてみよう。

» 2011年03月24日 21時20分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]

 東北関東大震災の影響により、東日本を中心に節電が呼びかけられている。ネオンの消えた渋谷の街を見て「こんな時期だから皆で協力しないと」と若者がインタビューに答える映像も目にする。首都圏で始まった計画停電は5月には一旦終了する予定だが、夏はさらなる計画停電が不可避だという。

 計画停電をはじめ、鉄道会社やそもそも東京電力管内で生活する多くの人たちの努力により、今のところ大規模停電は回避されているが、首都圏で大規模停電が起これば日本全体に影響する。多くの国民がこの災害に対し「何か自分にできることは……」と考える中で、不況で義援金を贈るほど余裕がない人でも、節電は自分にできることの1つであろう。

 筆者の話になるが、自宅の電気代はピーク時(2009年)に年間20万2075円(月平均1万6800円)だったが、節電することでボトム時(2010年)には13万645円(月平均1万887円)と約35%減少した。今、自分自身ができることとして、こうした経験を元に節電についてのノウハウを共有したい。

テレビの主電源は切らない

 筆者が節電に取り組み始めたきっかけは、エコとか地球温暖化とかCO2の排出量削減とは関係なかった。2006年の年末にサラリーマンを辞め起業し、2年間は順調だったが2009年に400万円ほど収入が減り廃業の危機を迎えた。前年の好調だったときの収入で計算する国民健康保険や住民税を払うのも苦しい状況である。収入が減ったので支出を減らさなければならないと考え、水道光熱費の削減、住宅ローンの借り換えなどを行った。

 その結果、ガス代もピーク時から年間7万1000円、水道代も8万5500円減少し水道光熱費は20万円以上削減できた。筆者の目的はエコじゃなくセコ(せこい)だったが、得られる結果は同じだ。今、国民全体で取り組むのは電気代の削減ではなく電力量の削減だが、その結果として各自のて電気代が減るなら努力の甲斐があるだろう。

 節電、および水道光熱費の削減のキーワードは「我慢」だ。戦時中は「ぜい沢は敵だ」と言われたらしいが、現在は「ぜい沢は素敵だ」の方がしっくり来る。素敵なことをどれだけ我慢できるかが重要となる。

 現在、テレビや雑誌などの各種メディアが節電方法の紹介をし、待機電力を減らすために「テレビの主電源を切ろう」とか「使っていない電気機器のコンセントを抜こう」とか言っているが、筆者はテレビの主電源は切っていない。理由は効果が少ないから。同じ我慢をするなら、同じ労力ならより節電効果の高いことをするべき、というのが筆者の考えだ。

 ちなみに筆者が現在使用しているテレビ「LED REGZA 37Z1」(東芝製)の待機電力は0.12W。仮に朝コンセントを挿して視聴し外出時はコンセントを抜き、帰宅してコンセントを挿し、お風呂に入るときに抜き、また挿して寝る前に抜いたとしよう。

 コンセントを抜いていた時間が18時間なら1日で2.16W、1カ月で64.8Wの節電だ。2.16Wと言われてもピンと来ない方が多いと思うので、電気代(22円/kWhで計算:以下共通)に換算すると1日0.05円、1カ月1.4円となる。1500Wのドライヤーの使用時間を1日5.2秒短くするのと同じ節電だ

 同じ我慢(労力)をするなら何度もコンセントを抜くより5秒我慢する方が楽だろう。とはいえ数百万台のテレビのコンセントを抜けば、国内全体ではそれなりに効果はあるし、テレビの機種によって待機電力は異なる。現在、コンセントを抜いたり主電源を切ったりしていて、苦にならない人は継続していただきたい。

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