プレゼンテーションの目的は「現実」の課題を解決して「理想」に近づけること、そのための「提案」を行なうこと。ですから、プレゼンの構想に必要な要素は「現実」「理想」「提案」の3つだけ。この3要素を“図解プロット”してみましょう。
プレゼンの目的は「現実」の課題を解決して「理想」に近づけること。そのための「提案」を聞き手に対して行なうことがプレゼンテーションです。ですから、プレゼンの構想に必要な要素は「現実」「理想」「提案」の3つだけ。どうですか、簡単でしょう? 現実、理想、提案の関係を図解で示すと、次のようなシンプルな構造になります。
まず左手に四角を描いて、その中に「現実の課題や問題のある状態」を描き入れます。そこから右へ矢印を伸ばし、もう1つ四角を描きます。この中には「未来において考えうる限りもっとも望ましい状態。課題や問題が改善あるいは解消された理想的な状態」を描き入れます。矢印は時間の経過を示しています。
そして、矢印に合流するもう1つの支線を下に描きます。これが「そのための解決策、改善策、目標達成策」――すなわち提案内容です。つまり「現実」の好ましくない状態を「理想」においては解消したいので、そのために何かを「提案」するという関係性です。
プレゼンには、Why?(何のために行なうのか?=目的)、What?(何を実行するのか?=実行内容)、How?(どのように実行するのか?=手段)の要素が不可欠です。図解プロットにおいては「現実」と「理想」を結ぶ矢印に注目。これが正にプレゼンの目的に該当します。そして「提案」が実行内容と手段に当たります。
どのようなプレゼンであれ、「提案」は「現実」と「理想」とのギャップを埋めるものになるべきです。提案を実行すると、理想にならないと整合性がとれなくなります。つまり、この図解プロットの基本形を描き上げると、自然とプレゼンの基本要素が押さえられるというわけです。
筆者 この基本形に当てはまらないプレゼンはありません。あらゆるシーンに使えます。次回は、「いろんなシーンで使える図解プロットの基本形サンプル」です。
パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。
「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
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