行動計画の最終段階――デイリーのタスクリスト作成、3つの手順人生を変えるタイムマネジメント

デイリーのタスクリストが、行動計画の最終的な段階。タスクリストを作成する3つの手順を紹介しよう。

» 2010年12月15日 09時30分 公開
[フランクリン・コヴィー・ジャパン]

編集部から

人生は手帳で変わる 改定版

 時間を管理しなければ――。ビジネスパーソンの大半はそう思っているはずです。ところが、時間というものは管理できるのでしょうか? 本当の“時間管理”をフランクリン・プランナーの視点から描くのが短期集中連載「人生を変えるタイムマネジメント」です。

 右は8年ぶりに改定した、時間管理のバイブル『人生は手帳で変わる 改定版』。価値観をベースにし、行動を管理する第四世代手帳を解説しています。


 デイリーのタスクリストが、行動計画の最終的な段階となる。どんなに大きな目標であったとしても、ほとんどの場合、毎日毎日の小さなタスクを積み重ねていくことでしか目標実現への道はないからだ。タスクリストを作成するには、次の3つの手順を踏むことになる。

  1. タスクを洗い出す
  2. スケジュールを確認し、実行可能なタスクリストにする
  3. 優先順位をつける

1:タスクを洗い出す

 まず1日の計画時(前日の夜、または当日の朝)に思いつく限りのタスクを洗い出すことから始まる。すでにいくつかのタスクは記入してあるかもしれないが、まず、月間目標欄と1週間コンパスを参照しながら、今月、今週の重要課題に対して今日できることはないかを考える。これによって、自分で決めた「目標」ページの「価値観」から具体化された「長期目標」に基づいて、毎日のタスクを設定していることになり、目標に近づくステップとなる。

 また、月間主要課題ページのプライベート欄とビジネス欄に記入した「期限は決まっていないが今月中には終えたいこと」としてリストアップした内容も参照しながら「タスクリスト」に必要な内容をチェックし、記入していく。

 例えば「新規事業のラフプランを作成する」という月間目標を「タスクリスト」に記入する際には「課長とプロジェクト開始時期をいつにするか決める」というように、できるだけ具体的な内容に分解して書き込むとそのタスクが終わったかどうかが、わかりやすい。

 1週間コンパスも同様だ。ここには普段忘れがちな役割からの行動目標が記載されている。この目標も具体的なタスクに落とし込まないことには、実行には至らない。これも参照しながら今日の優先事項を記入していく。

 次に、前日のノートページ、タスク欄の実行状況を踏まえながら、今日行ったほうがいいと思えるタスクを思いつくままに列挙していく。今日やりたいこと、やらなければならないことを、次のような具合に書き出していけばよい。

 「今日の計画を立てる」「鈴木さんに電話する」「犬を散歩に連れて行く」「依頼された原稿を書く」「車の点検を依頼する」「部下の話を聞く」「プロジェクト会議に出席する」「親に電話する」

 これらのタスクをいつやるかはあなたの自由であり、約束の時間があらかじめ決定している事柄を除いて、自分自身で優先順位と時間配分を決めることができる。

2:スケジュールを確認し、実行可能なタスクリストにする

 タスクの洗い出しを行ったら、今度は実際の今日のスケジュールを確認し、実行可能なタスクリストをつくっていく。タスクリストに山のようなタスクが書き出されたとしても、朝から夕方まで会議でびっしりの状態ならば、実質的なタスクの実行は不可能となる。この段階で、自由になる時間を想定し、現実味のある実行可能なリストに仕上げていく。

3:優先順位をつける

 実行可能なタスクリストができたら、そのリストに優先順位をつけていく。「緊急性」だけではなく「重要性」をあわせて考えることができたのであれば、すでに何を優先しなければならないかは明確だろう。

 フランクリン・プランナーでは、優先順位をA、B、Cと1、2、3の順序でつけていく。

 Aは「重要度 高 必須」Bは「重要度 中 重要」Cは「重要度 低 先送り可能」――。

 Aは非常に重要で「重要度は高で必須のタスク」。何が何でも達成しなければならないものだ(must)。ほかのことは何もできなくても、今日中にAの課題は達成しなければならない。次のBは「重要度は中で重要なタスク」。今日達成すべき課題である(should)。Aの課題が全部終わってまだ時間があればBの課題に取り組む。そして最後のCは「重要度は低で先送り可能なタスク」。今日中に達成できたらいいが、できなくても大きな問題はないと思われる課題である(could)。AもBも終わって、それでもまだ時間があるときにCの項目に取り組めばいい。

 その上で、今度は各項目を見て、ABCそれぞれのグループの優先順位を数字で表す。優先順位をつけるということは、出来事の相対的な重要度とそれを行う順序を明確にするということである。Aグループの中ではどれが1番大切だろうかと考え、最も大切なものに「A1」と書く。次に大切なものが「A2」ということになる。B、Cグループも同様である。

 いつでも、とにかく優先順位の最も高い課題にエネルギーを集中する。そしてそれを達成するまで、リストのほかの事柄については一切考えないようにすることがコツである。

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