プレゼンテーションには「Plot(構想)」「Preparation(準備)」「Performance(実施)」――3つの段階があります。これを「プレゼンの3P」と呼んでいますが、この中で一番大事なのが「構想」なのです。
「プレゼンの3P」とは――。プレゼンテーションには3つの段階があります。これらの各プロセスの頭文字をとって、私は「プレゼンの3P」と呼んでいます。1つずつ、解説していきましょう。
さて、プレゼンに3段階あることを解説しました。ところで、プレゼンテーションを構成する要素の中で、もっとも重要であるにもかかわらず、多くの人がないがしろにしているものは何でしょうか?
それは「構想」です。つまり「メッセージの中身をどう作るか」が実はもっとも重要かつ手抜きされているステップなのです。
優れたプレゼンテーションは聞き手の心を動かし、自分の提案を採用してもらう力を持っています。そして、その秘密は、スライドのデザイン性やカリスマ的な語り口ではなく、そのメッセージが「分かりやすい」「具体的」「面白い」かに起因します。メッセージの力、その根源が「構想」にあたります。
私の場合は、構想を練る時間は周囲から隔絶した空間が必要なため、愛用している文庫本サイズの無地の手帳と消せるボールペン(フリクションボール)と小銭だけを持って、近くのカフェに移動するのです。ネットもつながらないし、電話もかかってこない世界でアイデアをまとめます。そしてオフィスに戻ってから、構想をスライドに落とし込んでいくのです。
この方法は一見無駄のようで、結果的には効率がよいことが多いのです。本来、アイデアを練るプロセスとスライドや文書を作るプロセスは別もの。しかし、環境が同じだと自分でも区別がつかなくなります。プロセスを明確に分けるために、環境も分ける、というのが私のオススメです。合言葉は「プレゼンテータよ、カフェに出でよ!」です。
筆者 Plot作りの重要性はいうまでもありません。本書は、これまでの資料作成やスピーチ重視のプレゼン指南書ではなく、プレゼンの原点である「構想」を練ることの重要性を知ってほしくて執筆しました。次回は、「図解思考がプレゼンを強くする」です。
パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。
「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
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